青森山田高サッカー部で「飲酒問題」隠蔽か、部員が証言 「冷蔵庫にビール、チューハイが」

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“親や友達に言うな”

 酒が発見されたその週末、校舎内のホールに“飲酒していた”と目される部員を除く全サッカー部員が集められ、説明が行われた。

 別のサッカー部員が言う。

「その時、黒田監督は彼らが酒を飲んだとは言わずに、“酒を飲もうとしていたことが分かった”と説明しました。それだけでも卑怯ですが、その上で“これは青森山田内の問題だ。部内だけで収めろ”“親や友達に言うな。SNSにもあげず、入学する新入生にも言うな”と口止めをしたのです」

 さらに1週間後、再び、全部員がホールに集められた。その場に“酒を飲もうとした”部員が連れてこられ、謝罪したのだという。

「20名ほどの当時の2年生がホールの前の方でズラッと並んで、ひとりずつ全部員に対する謝罪の言葉を言っていました。“自分たちの行動で迷惑をかけてすみません”というような言葉だったと思います。そこでも前回同様、監督は口止めをしていました」(同)

部員の憤り「理不尽で不公平」

 未成年の飲酒は法律違反ではある。しかし、暴力事件や陰湿ないじめだったわけではなく、過ちがあればそれを正すのもまた「教育」だろう。高野連がやるように関係ない者まで一律連帯責任というのは愚かしく、実際、高校サッカー界で過去、飲酒が発覚した場合の対応もさまざまである。公式戦の出場を辞退したり、部の活動自粛を余儀なくされた高校もある一方で、自治体の教育委員会の裁可を経て、大会に出場したというケースもある。

 ただし、この部員が憤るのはワケがある。

「ウチの部は規則が厳しく、ちょっとしたことでも重い罰を受けます。例えば、朝は校舎のホールに6時40分から7時5分の間に集合して点呼を受けないといけません。でも、そこで少しでも遅刻すると、連帯責任で遅刻した部員と同学年全員が罰として雪かきをさせられる。ちょっとしたことで退部させられた部員もいます。また、外出も厳しく制限されていて、週に2回、それぞれ1時間しか外に出られません。僕らへの規則は厳しいのに、不祥事が発覚した時に口止めをするのはあまりに理不尽で不公平だと感じているんです。多くの部員がそうした思いを持っています」

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