プーチンは歩くとき、なぜ左手より右手の振り幅が大きいのか 元公安警察官が解説

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ロシアの毒殺文化

「KGB時代に拳銃の訓練を受け、銃や拳銃を右の腰に携行していたことを意味します。未だにその時の影響で右手の振りが大きいのだろうとみています」

 プーチンは、ロシアスパイの“文化“を頑なに守っているという。

「自分に楯突く者は毒殺するという習性です。2006年11月、元FSBのスパイでイギリスに亡命したリトビネンコがプーチンを批判したため暗殺されています。寿司店で会食中、放射性物質のポロニウム210を盛られたのです。髪が全部抜け、集中治療室に運ばれましたが、3週間後に亡くなりました」

 2013年3月、反プーチンだったロシアの富豪ベレゾフスキーも自宅で亡くなっている。

「ロンドンの自宅で首を吊って亡くなったという報道でしたが、暗殺された可能性もあります」

 2018年3月、ロシアの元GRU(軍参謀本部情報総局)大佐のスクリパリとその娘が危うく殺されそうになった。

「2人がイギリス南部のソールズベリーにあるショッピングセンター前のベンチに腰かけているところ、ロシア軍が開発したノビチョクという神経剤をかけられ意識不明の重体になりました。スクリパリはイギリスのスパイになったことで2006年に逮捕されていましたが、2010年にスパイ交換で釈放され、イギリスに亡命していました。この手の事件は何度も起こっています。プーチンは、ロシアスパイの毒殺の文化を地でいく男なのです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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