「鎌倉殿の13人」にも起用…三浦透子は他の女優とどこが違うのか

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 女優の三浦透子(25)が脚光を浴びている。キーパーソン役を務めた映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)は3月28日(日本時間)に発表される第94回米国アカデミー賞の4部門にノミネートされた。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で演じている1980年代の短大生役も話題だ。三浦のどこが観る側を惹き付けるのか。

「明日の朝、8時にこちらにお迎えに来ます」(「ドライブ・マイ・カー」で三浦が演じるみさき)
「ああ。早くて申し訳ないけど」(同・西島秀俊扮する主人公の家福)

 みさきは抜群の運転技術を持つドライバー。家福は演出家で舞台俳優でもある。演じている西島は三浦より25歳年上の50歳だ。

 家福は喪失感を抱き続けている。霧島れいか(49)扮する脚本家の妻・音が、夫婦の信頼関係を根底から揺るがす秘密を抱えたまま急死したためだ。音の死から2年後、家福は広島の演劇祭に招かれ、演出を行うことになる。

 演劇祭の主宰者が家福の広島での移動用に配してくれたドライバーがみさきだった。家福の愛車である真っ赤なサーブを運転する。

 演劇祭には高槻という男が主演俳優として参加する。音の秘密に深く関わっている。岡田将生(32)が演じる。

 この4人が主な登場人物なのだが、観ているうち、一番若いみさきが内面は最も大人であることに気づく。背伸びした仕草や話し方をしている訳ではないのに、みさきは人生経験を積んだ者にしか出せそうにない奥行きや重みを感じさせた。若者らしくない深遠なセリフもさらりと口にした。三浦に相当高い演技力がないとできない役柄だった。

 みさきの身なりはラフなカジュアルウェアにキャップで、まるで中高生の男子なのだが、不思議とやたら格好良かった。三浦が佇まいにまで気を配っていたからだろう。

 三浦は最近の若い国内女優には珍しいタイプだ。「俺たちに明日はない」などのフェイ・ダナウェイ(81)や「ロード・オブ・ザ・リング」で知られるケイト・ブランシェット(52)らとの共通性を感じさせる。実年齢や外見にはほとんど頼らず、演技力で役柄を自分に引き寄せている。

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