人知れず500万人が苦悩する「便もれ」改善方法 深刻な病気の兆候という可能性も
便意を感じてトイレに駆け込むも間に合わなかった……一度や二度ならともかく、それが頻繁になると笑い話では済まない。日本では多くの人が「便もれ」で悩んでいるといわれている。原因はさまざまだが、ちょっとした習慣や心掛けで防げることもあるのだ。
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【写真7枚】手術で大腸を切除し人工肛門を経験した医師「石井洋介」さん
冒頭から尾籠(びろう)な話で心苦しいが、45歳の夏、うんちを漏らした。場所は出張先の大阪、梅田駅の前。
便意は切羽詰まったものではなかった。ところがホテルのトイレのボックスでズボンを下ろした瞬間、ドバッと脱糞。驚愕した。自分史上最大級の量だった。
不幸中の幸いで、出張先だったため、着替えを持っていた。温水便座の水とトイレットペーパーを使って、1時間ほどかけ、便器や床を念入りに清めた。
実はその2週間前、小指の先ほどの痔核(いわゆるイボ痔のこと。血行が悪くて肛門の内外にできる血豆)を二つ切除している。術後の経過は良好のはず。しかし、漏らした。45歳でのお漏らし体験は、トラウマに。“外出恐怖”に陥った。
1回の失敗が心の傷に
「大変な体験でしたね。実際の手術痕を見ていないので断言はできませんが、痔の手術をきっかけに肛門括約筋が傷つき、緩んでしまうこともあります」
このように指摘するのは消化器内科の医師、石井洋介さん(41)。
「仮に50歳の人が1日1回ペースで排泄すると、生まれてから1万8250回したことになります。そのうちのたった1回でも失敗すると、心に大きな傷が残ります。本人にとっては笑い事では済みません」
今、日本人の約500万人がうんちを漏らしているといわれている(日本大腸肛門病学会ホームページより)。“いわれている”というのは、恥ずかしくて人には言わないので、実数が不明だからだ。でも、多くの人が悩んでいるのは現実だ。
朝の通勤時間、都心部の駅のトイレをのぞいてみてほしい。どこも満室。どの駅も男性用ボックスの前は長蛇の列。並んだ末に間に合う人もいれば、“失敗”してしまう人もいる。
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