大河オタク・松村邦洋が語る「鎌倉殿の13人」の見どころ 相関関係を芸能界に例えると?
半世紀を超える「NHK大河ドラマ」の歴史において、源氏と平家の争乱が登場するのは放送中の「鎌倉殿の13人」で7回目。主人公は鎌倉幕府の開祖・源頼朝(大泉洋)ではなく、2代目執権の北条義時(小栗旬)だ。その珍しさもあってか、第8話を終えた平均視聴率は14.8%と好調をキープしている。
「日本史の中で、一番好きなのは鎌倉時代なんです」
とは“大河ドラマオタク”を公言するタレントの松村邦洋(54)。好きが高じて、昨年末に解説本『松村邦洋「鎌倉殿の13人」を語る』(プレジデント社)を上梓したばかりだ。
「戦国や安土・桃山時代に比べると、源氏や平家、北条家などの一族には似た名前の人物が複数登場します。だから人間関係はやや理解しにくいかもしれませんが、そこには男女を問わず、ドロドロの権力争いが繰り広げられていた。それが最大の魅力なんですよ」
「義経が官位を授かったのは“闇営業”と同じ」
ものまね芸や軽妙なトークで人気の松村は、登場人物のキャラクターやその相関関係を、芸能界のそれに置き換えて解説する。
「頼朝が峰竜太さんなら、女傑の政子は妻の美どりさん。北条家は彼女のご実家の海老名家ですね。また、元暦元年(1184年)に義経が頼朝に無断で朝廷から官位を授かったのは、タレントの事務所を通さない“闇営業”と同じ(笑)」
武家と公家とが血で血を洗う戦いと謀略に明け暮れた戦乱期。そんな時代に強く惹かれたきっかけは、
「何百回も繰り返し見返した、僕の中の大河ベスト1である『草燃える』です」
昭和54年に放送されたこの作品の主人公は北条政子(岩下志麻)だった。源平合戦から鎌倉幕府の成立を経て、頼朝(石坂浩二)の死後に勃発した幕府内の権力闘争が詳細に描かれる。
「御家人たちの争いは熾烈を極め、2代将軍・頼家の権限も早々に取り上げ、最後は伊豆の修善寺に幽閉して謀殺してしまう。合議制のもとに集まったはずの13人も、互いの謀略で失脚したり、暗殺されたりというサバイバルレース状態。最終回で政子が“鎌倉は守ったのに、私の大切な人はみんな逝ってしまった”と涙を流す。このシーンはいまでも忘れられませんよ」
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