「黒木華」「波瑠」「高畑充希」が総崩れ…冬ドラマに異変 なぜ視聴者の反感を招く?
強烈な寒さをもたらす気圧配置は「西高東低」と呼ばれるが、今季のドラマでは「男高女低」という現象が起きている。異変が起きたそのワケは。
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巣ごもりによる高視聴率を期待された冬ドラマは、実力派の女優らが主演に抜擢されたことが話題となっていた。黒木華(31)をはじめ、波瑠(30)に高畑充希(30)、若手ホープの浜辺美波(21)や朝ドラ女優・清原果耶(20)など、好感度の高い女優たちを各局が揃え、鎬を削るはずだった。
だが、いざ蓋を開ければ浜辺主演の「ドクターホワイト」(フジテレビ系)を除き、視聴率はまさかの1桁スタート。唯一、健闘した浜辺のドラマでさえも、4話目からは1桁台に転落してしまったのである。
一方、女優陣とは対照的に話題を集めているのが、阿部寛(57)主演の「DCU」(TBS系)や菅田将暉(29)主演の「ミステリと言う勿れ」(フジ系)、それに松本潤(38)主演「となりのチカラ」(テレビ朝日系)という男性主演の作品だ。
芸能デスクによれば、
「『となりのチカラ』は3話目で視聴率が1桁になったとはいえ平均視聴率は10.3%で、他二つは2桁台をキープしています。民放冬ドラマで視聴率1位の『DCU』は、海上保安庁が舞台で主要キャストは男だらけ。菅田主演の作品も毎回新たな事件が起こり、ヒロイン的な女優はいません」
男性メインのドラマが好調というわけだが、果たしてこれは偶然なのか。
「反感を招く内容」
ライターの吉田潮氏は、
「近年は働く自立した女性を描くドラマがヒットしていて、その系譜として高畑主演の『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』(日本テレビ系)が当てはまるところ、有能な秘書だった彼女が、松田翔太演じる社長の無茶ぶりに振り回され、才能や特性を無視される展開になっています」
そもそも松田が放った鶴の一声で秘書から社長になる設定自体、現実離れしているというのだ。
「若い女優が主演のドラマは注目ポイントが二つあって、一つは仕事。もう一つは恋愛だと思います」
と話すのは、メディア文化評論家の碓井広義氏だ。
「高畑さんのドラマは分かりやすく仕事と恋愛の要素を盛り込んでいますが、主人公が特段努力しているわけではないのに、男性たちから思いを寄せられる好ポジションを得ており、視聴者の反感を招きかねない内容になってしまっています」
「ゴシップ#彼女が知りたい本当の〇〇」(フジ系)でネットニュースの編集長に扮する黒木や、「愛しい嘘~優しい闇~」(テレ朝系)で漫画家のアシスタントを演じながら事件を推理する波瑠のドラマも、仕事と恋愛の要素が際立っていないとか。
「コロナ禍で世の女性たちは他者との関係を常に気遣いながら日々を過ごしているのに、今回のドラマのヒロインたちは周囲に無頓着で自分のことだけを考えているように映る。一方で、松本潤主演の『となりのチカラ』は、この殺伐とした時代、他人に世話を焼きすぎる人がいてもいいんじゃないかと思わせるホームコメディーです。彼の妻を演じる上戸彩がまたよくて、夫のお節介な部分にツッコミを入れつつ、自分の仕事もしっかりこなす。こういった要素を持つ配役が低調なドラマにもあれば、支持を集めたと思います」