「ウクライナ侵攻」に岸田首相は混乱しイライラを募らせて 外務省が伝えていた「プーチン情報」とは?

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経済制裁の中で経済協力

 自民党のある閣僚経験者は、

「経済制裁も辞さずと匕首(あいくち)をつきつけているのに、一方で経済協力について話し合っているというのはタイミングとしては最悪。この状況で外交的解決を相手の経済発展担当大臣に訴えたところで期待薄。“とりあえず言ってみました”感がありありと出ていて、外交の素人のように映りました」

 と指摘する。外務省の楽観ムードの表れではないかというわけだ。

 林外相をめぐっては、駐日ウクライナ大使が面会を望んでいるにもかかわらず、事実上1ヶ月も放置されていたことが判明。林外相は国会で、「私自身は大使からの面会要望は承知していなかった」などと釈明に追われることとなった。

 他方、SWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアを除外することについて、日本が欧米より遅れて声明を出すことになったのも一部で問題視されている。27日、その理由を問われた岸田首相は「遅れたとは認識しておりません」と述べた。

「なかなか苦しい言い方でしたね。大きな打撃を与えようとすればそれだけ、影響も大きくなるので“寸止め”的な部分も必要ではあるのですが、情勢を慎重に分析した結果、後手に回ったことは否めません」

 と、先の閣僚経験者は手厳しい。

「北京五輪の際にプーチン大統領と会談した盟友の習近平国家主席も、そのホンネまでは把握できていなかったと言います。そのくらい事前の情報分析というのは難しいわけですが、侵攻後の日本政府の対応の後手後手感は際立っていますね」(同)

 岸田首相の「聞く力」の良からぬ部分が出てしまったと言えるかもしれない。3月3日の会見でも高騰するエネルギー価格をめぐって、「石油やガスの使用を少しでも減らす努力を」と述べるにとどめた。

 コロナのみならずエネルギー対策についても「お願いベース」の発言ばかりとなれば、危機に対応できない指導者として、政権の致命傷となりかねない。

デイリー新潮編集部

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