「ウクライナ侵攻」に岸田首相は混乱しイライラを募らせて 外務省が伝えていた「プーチン情報」とは?

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“まさか”の印象

 世界を震撼させたロシアによるウクライナ侵攻。プーチン大統領の暴挙を想定していた政府機関はそう多くないようだが、日本の外務省や内閣情報調査室の国際部といった担当部署は、「侵攻の可能性は限りなく小さい」などと官邸に報告をしていたという。

 プーチン大統領は21日に大統領令に署名し、ウクライナ東部の親ロ派が支配する2共和国の独立を一方的に承認。24日にはウクライナに対する侵攻を開始した。

「25日午後になってようやく、岸田首相以下、関係閣僚は国家安全保障会議に臨みましたが、首相はいささか混乱している様子だったようです」

 と、政治部デスク。

「というのも、外務省の欧州局や内閣情報調査室の国際部といった担当部署は、それぞれのネットワークから、“プーチンは東部の親ロ派エリアには手を出し、場合によっては武力行使も辞さないが、ウクライナ全体への侵攻は自重するはずだ”と分析をし、官邸にも伝えていたからです。そう聞いていただけに、首相は“まさか”の印象をぬぐえず、イライラを募らせていたと言います」(同)

林外相の間の悪さ

 このデスクが続ける。

「かつて森喜朗・安倍晋三の元首相はプーチン大統領との強いコネクションをアピールし、北方領土交渉に臨んできたという経緯があります。その頃の経験からプーチン大統領は“話せる相手だ”との刷り込みがあって、突っ込んだ情報収集や分析がおろそかになっていたのではないかという声が聞こえてきますね」

 間の悪さはこんなところにも表れていた。日本とロシアの両政府は15日、林芳正外相とレシェトニコフ経済発展相が共同議長を務める「貿易経済政府間委員会」をオンラインで行っている。

「林外相は緊張が続くウクライナ情勢の緊張緩和と外交的解決を求めるよう促したものの、ロシア側は発言を“スルー”。『コロナ禍でも両国の経済関係は進展しており、さらなる協力を進める』旨の発言がありました」(同)

 実は前日の14日には、G7(主要7か国)の財務相が「ロシアによるウクライナに対するさらなる軍事的侵攻は迅速かつ協調され強力な対応に直面することを改めて表明する。われわれはロシア経済に甚大かつ即時の結果をもたらす経済・金融制裁を共同で科す用意がある」と、ロシア側に警告を行っている。

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