「近くで爆発音」キエフに残る日本人に聞いた恐怖体験 一方で「人々の絆は強まっている」

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 ウクライナの首都キエフなどでは、ロシア軍のミサイルなどによる攻撃が一般市民に対しても無差別に広がっているとみられる。現在もキエフに留まる日本人に、現地の模様について聞いた。

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 日本政府の退避勧告後も、ウクライナにはおよそ120人の邦人が留まっている。言うまでもなく、2月24日未明(現地時間)の侵攻は青天の霹靂(へきれき)だったわけだが、

「市民の間では、戦争になってもキエフには攻めてこないだろうという安心感が漂っていました」

 とは、キエフ在住15年の50代邦人男性である。

「それが一転、24日未明に郊外に爆弾が2発落とされたので、みんな慌てて市外に脱出しようとしました。西へ向かう道路は渋滞で動きません。24日に中央駅で尋ねたら、西部のリビウ行きの列車は3月1日まで満席で、空きを待つため駅で寝泊まりする人もいます。また、タクシー代もリビウまで800ドルと、通常の3倍ほどに値上がりしています」

 現地の英字メディア「キエフ・インディペンデント」記者の寺島朝海(あさみ)さん(21)も、こう話す。

「27日の昼には、近くで3回ほど爆発音が聞こえ、その1時間後にアパートが揺れるくらいの衝撃がありました。1日に4、5回警報が鳴り、そのたびにアパート内で最も壁が厚い廊下にみんなで避難しています」

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