久慈アナの涙もさんまの計算のうち? ネットニュースを量産する素人いじりの真骨頂

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 お笑い芸人の世代交代が進む中、評価が変わったのは明石家さんまさんとダウンタウンではないだろうか。天才として業界内でも恐れられる彼らが、セクハラ的な行動を槍玉に挙げられることが増えた。松ちゃんが指原莉乃さんに放った「お得意の体を使ったやり方で(運営入りすれば)」発言の大炎上が3年前。浜ちゃんが女性ゲストの頭を叩くのもだいぶ少なくなった。かつて「ごっつええ感じ」で篠原涼子さんの胸を揉んでいた頃に比べると、見違えるような変化である。当時は「ごっつ」に限らず、「とんねるずのみなさんのおかげでした」でも松嶋菜々子さんが下ネタを言わされていたし、タカさんが女性ゲストにベタベタするのは通常運転だった。

 一方、さんまさんはゲストに直接触れたりはしない。でもプライベートにはぐいぐい食い込む。特に相手が女性だと、年齢や結婚歴を聞くのが「お約束」である。だから彼の番組は属性の違う女性どうしを対立させて、トークを回すプロレス型が目立つ。わかりやすいのは「踊る!さんま御殿!!」や「ホンマでっか!?TV」だろう。モテない女芸人VSモテる女性タレントの構図が多い。モテる女性の肩を持つさんまさんを、「モテない」女性たちが古臭い恋愛観だと一刀両断するまでがワンセットである。

 さんまさんは、感情的な女性がいる方が生き生きする。モテ自慢をしだす女子アナ、大声で噛み付く女性芸人、天然ボケを繰り出す不思議タレント。自分の想定を超えてくる発言や感情表現をたきつけ、ドカンと場が盛り上がることを強く求める。だからさんまさとのトーク番組を「疲れる」「怖い」と評するバラエティータレントは多いが、ネットニュースになる爆弾発言がしばしば飛び出てくる。

 最近では、フジテレビを退社する久慈暁子アナとの「お笑い向上委員会」での一幕が話題になった。「女・子どもには絡まない」と及び腰だった鬼越トマホークをけしかけたが、予想外の強い言葉に久慈アナが涙ぐんでしまったのだ。ネットニュースのコメント欄も荒れていたが、さんまさんにしてみればラッキー、これぞテレビと思ったのではないだろうか。

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