「マルちゃん」「うまい棒」…今年値上がりする商品一覧 今後高騰する商品は?

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アメリカの物価上昇が世界に波及

「インフレの原因には、もちろん新型コロナの流行に由来するコンテナ不足など、物流の混乱もありますが……」

 と述べるのは、経済評論家の加谷珪一氏である。

「大きい目で見れば、中国や東南アジアの国々などの経済発展に伴い、食料やエネルギーの需要が拡大し、価格が上昇しています。それに加えて、米中対立の影響もある。アメリカは中国から安い品物を大量に購入していましたが、対立が激化し、高い関税をかけたため、他の国の品物、あるいは国内産を購入する動きが広がっていった。そのためアメリカ国内の物価が上昇し、それが日本をはじめ世界に波及しているのです」

 こちらの要因も、一過性のものとは思えない。上昇ペースに変動はありそうだが、物価が上がり続けていく流れはどうやら止まりそうにないのだ。

スタグフレーションの影

 物価の上昇自体はもちろん否定すべきものではない。この10年ほど、デフレ克服を目指し、日銀が消費者物価指数の2%上昇をターゲットに、さまざまな手を打ってきたのは周知の通り。しかし、今回の物価上昇には、なぜ歓迎する声が起きないのか。

「それは、この物価上昇が、いわゆる“悪いインフレ”以外の何物でもないからです」

 と、永濱氏が言う。

「国内需要の増加によって、物価が上がり、賃金上昇に連動し、更に需要が高まるというのが、良い物価上昇。それに対して今回のそれは、原材料費などの高騰によって値上げが進んでいるだけで、国内需要の拡大を伴っていません。これでは家計は節約を強いられ、需要はさらに萎縮し、景気の悪化を招いてしまいます」

 これをコストプッシュ型のインフレという。

 加谷氏も、

「完全に“悪い物価上昇”の典型例となっていますよね。物価が上がり、家計が圧迫され、買い物を控えて、企業は儲からない……」

 景気は低迷しているのに、物価が上がる――今の日本は、いわゆる「スタグフレーション」に限りなく近づいている、とさえ述べるのである。

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