「マルちゃん」「うまい棒」…今年値上がりする商品一覧 今後高騰する商品は?
「もう異常事態」と悲鳴
これを川下で受け止める小売店も苦しいはずで、
「長くこの業界にいますが、今回の値上がりは、尋常じゃないですね」
と熱く語るのは、テレビでおなじみ、スーパー「アキダイ」の秋葉弘道代表取締役である。
「品目の多さもそうですが、値上がりの幅がこれまでの10倍レベル。食用油の中には、1年で5回も値上げしたものもありますよ。2円、3円なら利益圧縮で頑張ろうと思いますが、10円、20円となったら価格に乗せるしかない。もともと我々の業界は利益率を低くし、薄利多売で勝負してきた。削れるだけ削り、これ以上安くできないところに来て、この値上げの連鎖ですから、もう異常事態です」
一方で、化粧品を値上げしたことに反発したのか、「花王」の商品を店頭から撤去する“奥の手”に出た「オーケー」のようなチェーンも現れてきた。
燃料輸出国にお金が回らず…
「大きく言うと、今回の物価上昇の原因は供給不足です」
と解説するのは、第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣氏である。
「化石燃料で言うなら、世界の潮流となった“脱炭素”が影響している。海外の投資マネーは、基本的に50年先を見て投資していますから、アンゴラやナイジェリアなどの燃料輸出国にお金が回らなくなってしまい、供給不足に陥っている。そのため、原油価格が上がっているのです」
加えて、将来的な需要減を見越し、産油国は価格を高止まりさせる方向にもある。
原材料の値上がりについても、
「小麦などの穀物に関して言えば、気候変動に伴う、ここ数年の天候不順や異常気象によって、農作物の収穫量が減少している。これが原因で供給不足が起きています」(同)
当世流行りのSDGsの流れで、バイオ燃料の需要が増し、麦やトウモロコシ、植物性油の値段も高くなる。
「脱炭素」も「気候変動」も決して一過性のものではない。となれば、この値上げトレンドがしばらく続くことは間違いなさそうなのだ。
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