リビア沖から地中海を渡る難民・移民の「死のルート」密航最前線(上)

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 中東やアフリカ、アジアから地中海を渡って欧州を目指す難民・移民の死が再び急増している。国際移住機関(IOM)によると、2021年の死者・行方不明者数は前年から600人増えて2000人を超え、5年ぶりに増加に転じた。その大半を占め、世界で最も危険な「死のルート」と呼ばれるのがリビア沖だ。

 国際NGO「国境なき医師団」が運営する捜索救助船ジオ・バレンツ号に約1カ月、同乗取材して見えた最前線の状況を報告する。

ヘッドライトに照らし出された男たち

 1月20日午後11時5分、リビア沖の北約250キロ。...

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