「吉沢亮」「北村匠海」が共演の舞台、“転売チケットNG”で空席続出 厳しい措置に賞賛の声も

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ブレーク中の俳優が共演する舞台で異常事態――。

 その作品は、16日に千秋楽を迎えた「マーキュリー・ファー」。荒廃した街に生きる兄弟のたくましい姿を、昨年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で主役(渋沢栄一役)を張った吉沢亮(28)と、同じく昨年のNHK紅白歌合戦に初出場したダンスロックバンド「DISH//」のリーダー兼ボーカルで俳優の北村匠海(24)の二人が演じている。

「いまをときめくイケメンの競演とあって、前売りチケットは早々に完売。当日券での立ち見も出る大盛況でしたが、あろうことか、毎回のように多くの空席が続出してしまったのです」

 と言うのは芸能記者。

「会場の世田谷パブリックシアターがチケットの転売を固く禁じているからで、購入者情報の異なる不正なチケットを持って来場しても、一切入場はお断りという厳しい措置を取りました。ファンが転売業者から定価の何倍もの額で買ったチケットでも関係なし。無効と判断したのです」

 世田谷側の対策は徹底しており、転売されたチケットの座席番号は、公演日ごとに劇場の公式サイトに掲載されたほどだった。

70枚のプラチナチケットが紙切れ同然に

 例えば、2月12日の昼公演では【1階P列〇番】という具合に4席がヤリ玉に挙げられたほか、翌13日の昼公演でも【1階Q列〇番】などの8席が入場を断られる憂き目に。3週間にわたったすべての公演で、実に70枚を超えるプラチナチケットが単なる紙きれと化したことが明らかになった。

 別の舞台関係者はため息交じりに指摘する。

「転売による被害が社会問題化したことで、ようやく2019年にチケット不正転売禁止法が施行されました。摘発されれば“転売ヤー”と呼ばれる業者は処罰されますが、実際には野放しのまま。いかに高い金額でも買い求めるファンがいる限り、この悪慣行はなくならないでしょう」

 実際、今回の断固とした取り組みの一方で、ネットではいまもファンの足元を見るような、阿漕(あこぎ)な取り引きが繰り返されている。

「お客様から歓迎の声」

 再び芸能記者によると、

「主な転売サイトには定価が8500円というS席のチケットが2万円から6万円で売りに出ています。吉沢と北村は、東京公演を終えて19日から長野や新潟、兵庫、愛知、福岡などを巡りますが、8万円という法外な値段で売買が成立しているケースもありますね」

 いくら大枚を叩いてチケットを手に入れても、その売買は犯罪を助長する行為にほかならない。

「今回の措置には、お客さまから“しっかり取り組んでくれた”という歓迎の声もお寄せ頂いています。今後も対策は続けていくつもり」(世田谷の関係者)

 が、一向に転売が減らない背景にはこんな事情も。

「払い戻しはエンタメ業界公認のサイト“チケトレ”の利用が一般的ですが、手続きに1週間ほどかかるのがネックです。この不便さが転売を助長しているともいえますね」(先の記者)

 こちらの対策も急務か。

週刊新潮 2022年2月24日号掲載

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