「コロナ元年」を振り返る アパレルの名門「レナウン」倒産で経営危機が囁かれた一部上場企業

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実質的倒産

 T&Gと同じく東証一部上場の「THEグローバル社」も資金繰りが綱渡り状態。もともとマンションデベロッパーだったグローバル社は、ホテル開発事業に参入し、収益の柱に据えた。しかし、逆にそれが足枷となってしまった。

 20年4月期の最終損益は48億3600万円の赤字。監査法人が企業継続に問題ありとする“疑義注記”も付された。ホテル市場はほぼ壊滅状態のため、グローバル社は在庫不動産を362億円分も抱え、その負担が資金繰りを悪化させている。しかし、金融機関に融資の返済延長と追加融資を要請しても、なかなか首を縦に振ってもらえない状況に陥っている。

 すでに実質的倒産に追い込まれたのは「サンデンホールディングス」。カーエアコン用コンプレッサーでは世界シェア2位を誇る、東証一部上場のグローバル企業だ。

 20年6月30日に私的整理の一種、「事業再生ADR」(裁判外紛争解決手続き)を申請。20年の第1四半期決算では、最終損益が74億7000万円と大赤字。売上の5分の1を占めた虎の子の子会社を身売りしたために売上減の穴埋めができず、結局、自らも身売りせざるを得なくなってしまった。

「週刊新潮」2020年10月1日号「MONEY」欄の有料版では、危機に瀕した一部上場企業について詳報する。

週刊新潮 2020年10月1日号掲載

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