「コロナ元年」を振り返る アパレルの名門「レナウン」倒産で経営危機が囁かれた一部上場企業
三密業種
今年2月22日時点で、新型コロナウイルス関連倒産は全国で2880件(民間信用調査会社「帝国データバンク」調べ)。そのうち負債100億円以上の大型倒産は5件にとどまっているが、アパレルの名門「レナウン」が破綻したように、一部上場企業でも危機を免れられる保証はない。レナウンが倒産した2020年当時、苦境に陥っていた大企業の状況を振り返ってみよう。
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急激な業績悪化に見舞われたのは、ウェディング業界最大手「テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)」。貸し切りの洋館などで挙式を執り行う「ハウスウェディング」の草分け的企業だ。典型的な「三密業種」であることから、20年4月の緊急事態宣言後にハウスウェディングは休業を余儀なくされた。
その結果、20年4月から6月の第1四半期における国内ウェディング事業の取り扱い組数は、わずか82組。前年同期の3070組と比べれば、目を覆うばかりの惨状である。売上高も激減し、前年同期160億1200万円の6分の1となる26億200万円。最終的に59億9200万円の赤字に陥った。それに伴い、資金繰りへの不安が生じている。
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