6代目山口組「司組長」の誕生会に招かれた銀座の有名ママ 7代目襲名のXデーを引き伸ばす神戸山口組の作戦とは
ヤクザの専売特許と捉えていない
6代目側が神戸を刺激することでカエシ(報復行為)が繰り返され、やがて大きな抗争に発展して大が小を食っていく――。その流れはヤクザならずとも組織拡大の王道であるわけだが、
「6代目がちょっかいをかけても、神戸のほうがカエシを自重するようになりましたね。山健組が神戸から6代目に移ることになったきっかけは、山健組の当代である中田浩司組長(62)が自らヒットマンとなってカエシを行ったことです。この報告を受けた時、井上組長は中田組長を叱責し、手をあげたと言われています」(同・記者)
「ナメられたら終わり」のヤクザにとってカエシは必要不可欠な手段であり、通常なら「よくやった」と肩を叩かれ高く評価されるはずなのだが、井上組長はカエシをもはやヤクザの専売特許と捉えていないフシがあるという。
「去年12月に、徳島市の民家が銃撃される事件がありました。この民家には神戸山口組の寺岡修若頭(72)ととても親しい人物が住み、若頭はそこを頻繁に訪問していたようです。犯人の男はすでに出頭し逮捕されましたが、その後、男の関係先などにカエシが行われた形跡はありません。ナンバー2と懇意のカタギが狙われたのに動きがないというのは、組織トップの井上組長の意志が働いていると見て間違いないでしょう」(同・記者)
死んだふり作戦
組織犯罪対策に関わる警察庁の関係者によると、
「6代目のうちに抗争を終結させるというのが、当代の考えなのでしょう。そのためには、神戸の井上組長が白旗をあげて組を解散し、カタギになることが求められる。しかし、井上組長はたとえ命を保障されても、それを受け入れることはないはず。6代目側がじわじわ圧をかけても、神戸のほうは報復行為に本格的に打って出ることなく、いわば『死んだふり』でやり過ごそうとしているように見えます」
神戸としては、およそ500人となって多勢に無勢の状況の中で、どのように生きていくのかを考えたうえでの死んだふり作戦なのだという。
「売られたケンカをまともに買い、その応酬が続けば、いずれは数が多いほうが勝つでしょう。そうならないために、神戸は知恵を絞ったということなのかもしれませんね。もっとも、高山若頭はそういった神戸のスタンスも踏まえて、どのように分裂状態を解消するかを考えているはずです」(同・関係者)
まさに、令和の時代の仁義なき戦いということなのだろう。
[2/4ページ]