まん防を拒否する知事たちが国に提言 「効果のない飲食店時短に貴重な税金は使えない」
自治体ごとに対応が違うケース
〈臨機応変な県もある。青森県は感染拡大している弘前市には、まん延防止等重点措置を適用しても、青森市に対しては適用を拒んでいる。三村申吾知事が文書で答えた。〉
2月初め、青森市からまん防の適用について要請がありました。しかし、その時点で青森市の感染状況は、飲食店でクラスターが頻発する状況になく、学校や教育・保育施設などでの感染拡大が顕著だったことから、まずは市町村と連携を図り、学校等における対策を強化しました。県立学校の部活動を原則禁止し、あらためて教育・保育施設等での感染防止対策を徹底するなど、県としてより踏み込んだ対策を実施したところです。
一方、まん防は人流抑制の観点から一定の効果が見込まれますが、制度上、飲食店などに対する時短要請が中心です。しかし、実施した際の影響は、飲食店のみならずさまざまな分野に及ぶため、県としては専門家のご意見なども踏まえながら、県内の感染状況等を総合的に判断し、その時点での青森市への適用は、見送ることにしたのです。
専門家は「荒唐無稽」
〈最後に全国知事会長でもある、鳥取県の平井伸治知事の話を。〉
飲食がらみの感染拡大は、ウイルスの世界では「大昔の話」です。いま感染が広がっているのは小学校や保育園など、子供たちが集まる日常生活の場です。専門家の方々はよく、人数制限などと話されますが、すでにそれでは解決できない状況です。子供同士の感染は、家庭を通して職場や社会に浸透します。飲食店が媒介する部分もあるにせよ、ウエイトはずっと小さい。
そこで我々は、子供を感染から守るのを一番大事なテーマとし、戦略を立てました。それが高齢者、地域を守ることにつながるからです。たとえば、全保育園に不織布マスクを配る、ということです。
〈それに関し、平井知事には、どうしても伝えたいことがあるという。〉
全国知事会が「2歳以上の子供にマスクを」と求めたと報じられましたが、違います。幼稚園には文科省が、マスクを着けるように指導する一方、保育園は厚労省が、着けなくてもいいと言っていた。それはおかしいので、一律にすべきだと主張したのです。現に保育園でクラスターが発生しており、子供に感染が広がると、社会にいっぺんに広がる。それは飲食店から広がる感染より影響が大きいのに、どうして専門家の方々にはわからないのか。
我々はオミクロン株にふさわしい感染対策が必要だと、繰り返し発信してきましたが、専門家の方々が話し合って出した答えは、飲み会の人数を4人以下にすれば感染は収まる、というもの。我々からしたら荒唐無稽なストーリーです。
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