まん防を拒否する知事たちが国に提言 「効果のない飲食店時短に貴重な税金は使えない」
「貴重な税金を使う必要がない」
まん延防止等重点措置の狙いは、飲食店に時短営業をお願いして、飲食店由来の感染拡大を防ぐことです。事実、宮城県内でも第3波のときは、2020年11月1日から12月27日を対象にした調査で、クラスターの約50%が飲食店で発生していました。そこにまん防を適用すると、約18%にまで下がったので、効果は間違いなくあったのです。また、第5波の際は、まん防適用後にこの数字が33%から約4%に下がりました。ところが第6波では、1月6日から25日までの間、飲食店由来のクラスターは全体の5%程度にすぎず、これではまん防を適用しても効果がないのではないか、と考えました。
実際、先にまん防が適用された他県等で感染者が減っていませんでした。第5波までは、まん防適用後2~3週間で感染者数が減少しましたが、今回はそういう現象が見られません。まん防で飲食店に時短営業を要請しても、効果が出ないなら、貴重な税金をそこに使う必要がありません。
協力金の金額に見合った効果が得られているのか
宮城県はこれまでの時短要請で、飲食店への協力金を約500億円支払っています。第5波までは、たしかに金額に見合った効果があったと思います。しかしながら、今回は金額に見合った効果が見込めないのではないか、別の使い道があるのではないか。たとえば、ワクチン接種をより迅速に進める、3連休などでの行動の自粛をお願いする、といったことのほうが効果はあるのではないか、と考えたのです。
第6波に関しては、飲食店が感染爆発の震源地だという客観的なデータがありません。それなのに、数打ちゃ当たる式の対策は、税金の使い方として正しくないと思います。それに、宮城県だけ感染対策がうまくいっても、周囲の県で感染者が減らなければ、感染は収まりません。
そうした意味でも、まん防について、都道府県から要請されたら国は機械的に適用する、ということではいけません。経済を動かしながら感染対策をする、という方向にもっていく必要があります。その点は、批判があっても決める人がしっかり決める。そういう主体性が必要です。
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