オイルマネーによるゴルフ新設ツアーにスター選手が移籍宣言 王者タイガー・ウッズに期待されること

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 昨年2月にロサンゼルス郊外で交通事故を起こし、右足に重傷を負ったタイガー・ウッズが、事故からわずか10か月後の12月に「親子大会」のPNCチャンピオンシップに12歳の長男チャーリーくんと出場したとき、世界中のファンが「タイガーが戻ってきた」と歓喜した。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

 ウッズ父子は見事2位でフィニッシュ。この調子でウッズの右足がさらに回復すれば、「PGAツアー(米国を本拠とする世界一の男子プロゴルフツアー)への復帰は近い?」と、人々の期待は高まった。

「いつになるかは、僕にもわからない」

 そして、あの事故からちょうど1年が経過した先週。ロサンゼルス郊外のリビエラCCで開催されたPGAツアーの大会、ジェネシス招待の開幕前にウッズの会見が開かれ、「復帰時期の発表か?」「4月のマスターズに出るのでは?」とマスコミは浮き足立った。

 だが、ウッズは「いずれカムバックはするが、いつになるかは、僕にもわからない」と語った。

 いまなお復帰時期は未定。ジェネシス招待にやってきたのも、出場するためではなく、ウッズの財団「TGR」がサポートする「ウッズの大会」に大会ホストとして呼ばれただけだった。

 大会ホストとしてウッズが力を入れている取り組みは主として2つある。1つは、黒人選手やマイノリティ選手にジェネシス招待への推薦出場を授ける「チャーリー・シフォード・メモリアル・エグゼンプション」の実施。もう1つは、全米の大学生ゴルファーの中から1名を選び出し、推薦出場を授けるためのプロアマ戦「カレッジエイト・ショーケース」の開催だ。

 前者はダイバーシティ促進、後者は若い選手の育成のための取り組みであり、ウッズが素晴らしい大会ホストぶりを発揮していることは言うまでもない。

 しかし、世界のゴルフ界が大きく揺れ動いている今だからこそ、ウッズには大会ホストにとどまらず、ゴルフ界の王者として期待されることが他にもある。

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