ただの「年の差不倫モノ」ではない「シジュウカラ」 40歳からの女の自立と再生は可能なのか

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 場所は水族館。やや暗めだが、水槽の上部から薄く光が入る。水槽の前をひとりの女が後ろ向きに歩き出す。水槽の中の魚も後ろへ進んでいくので、逆再生の映像とわかる。その中にアニメーションの鳥が1羽。鳥だけは前へ進む。羽ばたいているその鳥はどうやら雌のシジュウカラ。とても意味深なオープニングだ。カラスやモズ、とんびやスワンを冠するドラマはあったが、今回は「シジュウカラ」。鳥の名と「40歳から」の女の再生をかけている。

 主人公は40歳になる漫画家の綿貫忍。...

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