サラ金で借りた250万円が5秒で2700万円に…FXで財産を失った4人の証言「合法だから大丈夫、が一番怖いんです」

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パチンコやスロットがバカらしい

ヒラヌマさん:僕はなに不自由なく育ったのにも関わらず、昔からお金を持っている人に対してコンプレックスがありました。○○会社の社長、○○会社の役員といった方々ですね。自分で何をやっているわけでもないのに、そういう人たちを羨み、妬み、恨んでいました。僕が夜繁華街に遊びに行って、隣の席で楽しそうにしている――当時はそう見えた――人たちを見ると、こんなに借金を抱えている自分、今のお金も借金で払おうとしている自分が惨めに思えました。

 あぁ、お金さえあれば、この人たちに追いつける、追い越せると思い、国内よりも高いレバレッジで取引できる海外FXに手を出しましたんです。やってみると短期で大きな額が動く高揚感はすごいもので、ずっとドキドキしていました。いったん手をつけると、パチンコやスロットでコツコツ10万円を目標に稼ぐことがバカらしくなってくるんです。

 そのうち、自分名義の借金はサラ金で返済できないほどまで膨らみ、当時結婚していた元妻の名義で勝手に借金するようになりました。チャンスさえあれば返せる、絶対に自分は負けないと思い込んでいたんです。

Aさん:他のギャンブルをしたことはありません。株もやったことがない。やったのはFXだけで、手を出したのはリーマンショック(2008年)のあとでした。勤務していた会社の給料ががくんと下がり、このままではいけないと減った分の給料を補填する方法はないかとネットで調べていたんです。口座開設しただけでポイントがつくとあったし、実際に稼いだ人たちの体験談も魅力的でした。

 最初に2~3万円勝って、これはいいなと思いました。僕の場合、最初は堅実に運用していて、「このくらい勝ったから今日はここで終わろう」と節制が効いていました。実際にトータルで見ても、勝った日のほうが多いんです。

 でも、負けた日の額がすごい。例えば勝ち、勝ち、負けとなっても、負けた日の額で利益が吹き飛びました。負けを絶対に取り返したいと思って、お金をつぎ込む。実際に負けた分を次の日に取り返せることもあった。でも、短期で利益を出そうとしても、結局は失敗して借金が500万円になり、1000万円になり、返済の催促を受けていることが家族にバレて終わりです。

タナカさん:コツ、コツ、ドカンってやつだ。コツコツ勝っていても、いきなりドカンと負けがくる。

住宅ローンが組めず……

Bさん:Aさんの気持ちはわかります。負けを認めたくないんですよね。私は最初、生活資金と運用資金を分けて普通に投資をしていたんです。FXとギャンブルの共通点は、手持ちの資金を元手に短期間に大量のお金を手に入れられることです。

 私の場合、主に夏と冬のボーナスを手持ちの資金にして運用を始めました。一気に数百~1000万単位で増やすことができるのですが、同じように負けることもある。のめり込みましたね。負けを取り戻そうとして、とうとう生活資金に手を出し、銀行からも資金を借りるようになりました。

 私も家族にバレましたが、その理由は住宅ローンが組めなかったからです。私の会社の場合、普通ならまず問題ないはずなのに審査が通らない。隠れて借金をして、しかも返済できていないのだから無理に決まっているんです。

ヒラヌマさん:今の話を聞いていて、僕も思い出しました。元妻名義でサラ金から250万円を借りたとき、振り込まれた金額を確認して、その日に全額つぎこんで大勝負をかけようとしたんです。すると250万円が5秒で2700万円になりました。

 ここで左クリックを押せば(決済すれば)、課税されてもそのとき抱えていた1500万円以上の借金が返済できるだけのお金が手に入ります。でも、押せなかったんですよね。

一同:おぉ。

タナカさん:わかるわぁ。

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