「おいハンサム!!」人気の理由を読み解く 「闇金ウシジマくん」との共通点も
残すところ、あと2回となった連続ドラマ「おいハンサム!!」(制作・東海テレビ、フジテレビ系、土曜午後11:40)が評判高い。放送が深夜帯であるにもかかわらず、コア視聴率(13~49歳)が「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)を上回ることも。人気の理由を読み解く。
人気の理由の1つは飽きさせない独特の構成にあるだろう。複数のエピソードが同時進行する。演出と脚本を兼ねている山口雅俊監督(61)が得意とする手法である。
通常の連ドラは主人公の日々を中心に物語が進行する。群像劇なら登場人物たちの日常が時系列で描かれる。
「おいハンサム!!」は違う。主人公・伊藤源太郎(吉田鋼太郎、63)とその3人の娘たちの話が並行して進む。時系列にも細かく拘らず、「複線」なのである。
2月12日放送の第6話の場合、主人公で鵯越(ひよどりごえ)コンサルティング本部長の源太郎が社内で合同戦略会議を仕切っていたと思ったら、画面はいきなり食品会社に勤務する3女の美香(武田玲奈、24)に切り替わる。美香は同僚たちに自分の結婚話を打ち明けた。婚約者は大手保険会社に勤務する・大倉学(高杉真宙、25)である。
かと思うと今度は広告会社に勤める長女・由香(木南晴夏、36)に画面がスイッチされる。由香は気になっていた路上シンガーソングライターのリョータ(青柳塁斗、31)を食事に誘う。
次は再び源太郎の会社に切り替わるものの、ほどなくラブホテルの1室が映し出される。登場するのは下着姿の男女2人。観ている側は「なんだ?」となるが、やがて男性は2女・里香(佐久間由衣、26)の元カレだと分かる。里香には銀行員の夫・大輔(桐山漣、37)がいる
元カレは里香が尻を布団の外に出して寝るクセがあることを思い出し、現在の彼女と大笑い。それだけでも十分悪趣味だが、わざわざ里香に電話し、思い起こしたことを伝える。
その後も源太郎と3人の娘のエピソードは個々に進む。いつ、誰に場面が切り替わるか分からない。
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