鳩山由紀夫が広告塔の「コロナ新薬」インサイダー事件 発覚のきっかけとなった元暴力団組長の存在

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 事件を一皮めくれば、その裏には、報じられない人間模様がうごめいているものである。警視庁が「コロナ新薬」開発を巡るインサイダー事件を摘発した。

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 警視庁捜査2課が、ベンチャー企業の株取引を巡って3名の会社役員らを逮捕したのは、今月4日のこと。

 事件の構図をかいつまんで説明すると、話の中心となるのは、ジャスダック上場の医療ベンチャー「テラ」社である。

「発端は一昨年4月、テラ社が『セネジェニックス・ジャパン』なる医療関連会社と業務提携し、メキシコでコロナ治療薬の開発事業を進める、と公表したことです」

 と説明するのは、全国紙の社会部デスクだ。

「この前後、セネ社の役員を通じて3人の男が内部情報を入手。テラ社の株を計4千万円分購入したんです。当時、コロナ第1波の時期だったこともあり、公表後に株価は急騰。彼らは売り抜けによって、計5千万円の利益を得ることに成功しました」

 が、両社のメキシコでの事業計画は架空のもので、実態はなし。それが判明すると、株価は一気に暴落し、多数の被害者を生んだ。

元暴力団組長

 一見しばしば起こる経済事件の一つだが、メディアがこの捜査の行方を注視していたのは、周囲を彩る登場人物が派手だったからである。

 まずは、事業の“広告塔”になっていたのが、バラク・オバマ、鳩山由紀夫の元日米首脳。テラ社の社長(当時)は元民主党代議士で、その関係からか、両氏が発起人を務める団体がこの事業を大々的に紹介し、箔付けに一役買っていた。もっとも、オバマ氏については名前を勝手に使われていたようだが……。

 また、

「そもそも、事件の発覚には、元暴力団組長の果たした役割が大きかった」

 と言うのは、さる経済ジャーナリスト。

 この元組長とは山口組系の組織から7年前に足を洗い、以後は「猫組長」の名で投資家、経済評論家として活躍している、菅原潮氏のことだ。

「猫組長は、逮捕された3人の一人・山崎平馬容疑者(49)と知り合い、オンラインサロン事業などを一緒にやろうとしていたんです。テラ社の株購入も勧められ、買う寸前まで行った。が、事業の危うさに気付き激怒。それ以後は、ツイッターなどで逆に取引の裏側を告発する側に回りました」(同)

 この告発によって、メディアが事業の詐欺性を報道。企(たくら)みが世の明るみに出たというわけだ。

 これだけでも目がくらむような話だが、人物相関図を解き明かしていくと、更に新たな人物に突き当たる。

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