日大医学部長選、最有力の現職が田中前理事長を絶賛 「田中先生のようなカリスマがいないと」

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 受験シーズンも本番を迎えたが、日本一のマンモス大学がまたもや揺れている。日本大学の前理事長・田中英壽被告(75)の初公判が今月15日に開かれた折も折、医学部長を決める選挙が始まった。最有力は「田中派」と目される現職で、学内からは異論が噴出。ご本人を直撃すると、田中被告の意外な“肉声”を明かし反論するのだ。

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 東京地検特捜部は元日大理事の井ノ口忠男被告(64)らを背任容疑で逮捕、起訴し、彼らから金品を受け取ったとして、理事長だった田中被告も昨年12月、脱税で起訴された。これを受け、日大の加藤直人学長(71)は、「脱田中」に舵を切ると明言したが、現在行われている医学部の学部長を決める選挙でも、「田中派」の名前が見え隠れすると聞けば、日大の改革も骨抜きになってしまうのかと疑う。

「内部刷新の一環で、田中前理事長を信奉する医学部長の引責辞任が発表され、1月19日の緊急教授会で任期は3月末までと説明がありましたが、それは表向きの辞任に過ぎません」

 と指摘するのは、さる日大病院の関係者である。

「この緊急教授会で、現医学部長は後任を選挙で決めると発表し、2月2日に行われた参考投票では、有効投票数308票のうち168票を集めた現職の医学部長が1位になった。今後、理事会が多くの票を得た上位の候補を面接などで審査し、学部長を決める仕組みですが、過去数年で1位の結果が覆ったことはありません」

弟は後藤田正純衆院議員

 この医学部長の名は、日大病院で消化器肝臓内科の教授を務める後藤田卓志(たくじ)氏(56)。弟は女優の水野真紀を妻に持つ後藤田正純衆院議員(52)だ。先の関係者によれば、

「今回の日大問題では、医学部附属板橋病院の建て替えや医療機器購入に絡む業者からのキックバックが背任に問われましたが、後藤田さんは学部長としてCTスキャン購入の契約に判を押した張本人。特捜部の取り調べを受けた人間が再任されていいのか、という声が学内から上がっているのです」

 さらに、学部長を決める仕組みを作ったのは田中被告だったとして、こう話す。

「現場の医師や看護師の票より、日大OBで占められた事務職員が持つ票数の方が多いので、いわば田中前理事長の鶴の一声で票が動く仕組みになっている。7年前に外部から日大に来た後藤田さんが、2020年に医学部長に就任したのも、田中前理事長が与(くみ)しやすいから選んだと囁かれました。こうした選挙の仕組み自体を変えないまま医学部長を決めていいのか。そういう声が教授会でも出たのに、選挙は強行されたのです」

 かくして、引責辞任をしたはずの医学部長が再び返り咲く道筋がついてしまったというわけである。

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