死を前にした秀吉の前で、家康はなぜ泣いたのか 悲しみ? いや……イエズス会が記していた涙の理由

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 死にゆく秀吉は、息子である秀頼と、家康の孫娘である千姫を結婚させるよう、家康に頼んだ。それは家康の謀反を恐れたからに他ならない。居並ぶ大名たちの前で、それを言い渡された時、家康は涙を流したという。その涙の理由を、イエズス会の宣教師は二つ記していた――。(本稿は新潮新書『大坂城―秀吉から現代まで 50の秘話―』より再構築されたものです)。

 豊臣秀吉は、慶長3年(1598)8月18日、伏見城において、62年の生涯を終えた。死に先立って秀吉は、自らの死後、愛児秀頼を大坂城に遷すよう遺言した。...

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