武田塾社長の「ポーカー賭博」で警察が動く可能性はあるのか…「黒川麻雀」との違いは?

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議論が必要

 賭博罪の保護法益は、勤労による健全な経済的秩序の維持と、副次的犯罪の防止と考えられています。薬物事犯と同じような考え方で、直接の被害者がいなかったとしても、国民がギャンブルに溺れてしまって勤労意欲を失い、犯罪に走ったり巻き込まれてしまうのを防ぐことを目的としているのです。そういう観点から見ても、影響力のあるインフルエンサーが数十万円もの利益を賭博により得ていたことが、健全な経済的秩序の維持に悪影響を与えていると見られる可能性もあるかと思います。

 ただし、賭博罪での取り締まりについては、もっと国民の理解が得られるような議論が必要だと思います。黒川麻雀もそうですか、なぜ三店方式で事実上の賭博が行われているパチンコが認められて麻雀がダメなのか。国家権力による恣意的な処罰ができる状況を許すことは、狙い撃ちが可能な状況を許しているということです。カジノ解禁も控えるなか、国民が納得できる運用がされるよう、法改正も含めた議論が行われるべきだと思います。

渥美陽子
「渥美坂井法律事務所弁護士法人 麹町オフィス」代表。2002年、早稲田大学法学部卒業。2008年、東京大学法科大学院修了(法務博士)、2009年に弁護士登録(第二東京弁護士会)。2010年、西村あさひ法律事務所入所、2014年に法律事務所ヒロナカへ移籍。2017年には独立して「あつみ法律事務所」設立。2020年12月から現職。趣味はコスプレと筋トレとサウナ。好きな食べ物はカニとシャインマスカット。

デイリー新潮編集部

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