横浜のドン「藤木幸夫氏」がついに「赤旗」に登場 神奈川県警トップまで報告が上がった経緯とは

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足を向けて寝られない

 菅義偉前首相のかつての後見人として知られる、ハマのドンこと藤木幸夫氏(91)。横浜の港で港湾荷役業を営む「藤木企業」会長にして、「横浜港ハーバーリゾート協会」会長である。昨年の横浜市長選では野党が相乗りした候補を支援して菅氏が全面支援した候補を破り、地元で一敗地に塗れた菅氏が退陣する流れを作った。藤木氏はその後も野党支援にご執心で、勢い余ってなのか共産党の機関紙「赤旗」にも“登場”し、神奈川県警本部長にまで情報が上がる事態となったのである。

 藤木氏は地元の顔役の一人で、歴代の横浜市長や神奈川県知事はみな藤木氏の支援を受けて当選してきたから「足を向けて寝られない」と言われている。

もちろん首相経験者ら中央政界との関係も深く広い。わけても横浜を地盤としている菅氏との蜜月はつとに有名。その関係についてかつて藤木氏は、

「(菅氏は)官房長官になっちゃったからね。昨日まで一緒にお茶飲んだり、ところてん食ってた間柄だったのが、ヘッポコ市会議員から国会議員、官房長官となった。だから、昔を知ってた連中からすれば、“権力ボケ”と見られちゃうわけ……」などと、語っていたことがある。

警察官友の会トップ

 そんな藤木氏は2019年、政府与党との全面対決を宣言し、野党支援に舵を切る。きっかけは与党が進めるカジノ構想だった。藤木氏は「博打は許さない」と主張して、「反権力」へと転身したのである。

 昨年の横浜市長選では野党統一候補をサポートして勝利に導き、その後の衆院選でも神奈川2区で菅氏と敵対する野党統一候補の応援を買って出た。

 その決起集会では、「私は昔、共産党員だった。優秀な党員だった。本当だったら共産党の委員長ですよ」「野党は偉い。統一を組んだ。共産党は一番偉い。野党が統一したら、腐った自民党なんか倒せる。私は神奈川県の自民党第1号で、今でも自民党員だから言う」などと訴えたのだった。

 これに反応したのが、他ならぬ神奈川県警だった。

「藤木さんは地元の顔ですから、歴代の県警トップが着任時には必ず挨拶に出向くことになっています。それに加えて、藤木さんは警察官への支援活動を展開する『神奈川県警察官友の会』の会長をずいぶん長く務めていることもあって、県警は物心両面でサポートをしてもらっているんです。コロナ禍では消毒液やマスクなど、友の会から色々ともらっていましたね」

 と、神奈川県警の関係者。「神奈川県警察官友の会」とは、1972年に設立された任意団体だ。

「影響力が抜群の藤木さんが野党色を鮮明にしたことで、県警上層部としてはあまり波風を立てて欲しくないなぁと思っていたようです」(同)

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