朝日新聞ローマ支局長に“700万円横領疑惑” 経費はどこに消えた?

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ローマ教皇への取材

 河原田記者が朝日の特集記事に記した経歴はそもそも一風変わっていて、高校時代は〈吹奏楽部に入部し、テューバを担当〉〈東京藝術大学の楽理科に進学したが、在学中は学生オペラ公演の制作や演出に明け暮れた〉とある。

「彼は学生時代からオペラの本場であるイタリアに関心があり、自らローマへの赴任を希望していましてね。念願叶って家族で渡航したわけですが、私的に使うピアノのレンタル代や子供たちが通うバレエ教室のレッスン代なども、会社の金を流用していたとか」(同)

 ちなみに彼は好きなイタリア音楽の世界にばかりかまけていたわけではない。ローマ支局長として書いた記事を振り返れば、ローマ教皇への取材を試み、日本の原発はどうしたら停止できるかなんて、朝日らしい質問もぶつけている。

 先の関係者はこうも言う。

「2000年に入社以来、17年に国際報道部に異動する前は、東京本社社会部などで司法の担当記者としての経験が長かった。途中、名古屋赴任時にはもう一つの趣味である鉄道への情熱が生かされましてね。念願の交通担当記者になれたと喜び、JRなど鉄道会社についての記事にも筆をふるっていました」

「自宅を売却して弁済する」

 趣味と仕事をリンクさせ、順風満帆の記者人生を過ごしてきたように見えるが、ローマへの赴任で大願成就して、ついに公私の見境がつかなくなったのか。

「本社にとがめられた結果、本人は都内に購入していた自宅を売却して弁済するとまで言い出したことから、刑事告訴などの対外的な処分は免れたようで、会社も玉虫色の処分にしたようです」(同)

 ご本人の言い分を聞くべく彼の携帯を鳴らすと、

「会社の広報を通してください」

 と同じ台詞を淡々と繰り返すのみ。改めて朝日新聞に尋ねると、

「記者が誤った認識で不適切な会計処理をしていた事実を確認しました。法人口座と個人口座を分けるべきところを同じ口座で管理し、公私の区別が十分でなかった時期がありました。適正な管理を怠った責任は重く、厳正に処罰しました。ご指摘のような費目での使用はありません」(広報部)

 真面目に購読料を払う読者に隠し通すおつもりか。

週刊新潮 2022年2月17日号掲載

ワイド特集「背徳の囁き」より

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