【カムカム】「ひなた」のいる回転焼き屋にやってきた“不愛想な男”から目が離せない理由
算太と勇が再登場か
やはり興味深いのが、ひなたが条映撮影所内で出会う人たち。特に算太だ。2月5日に公開された予告映像に算太とおぼしき人物が一瞬映っていた。
その人物は振り付け師のようだ。第7話で算太は「ワシはダンスホールの先生になっていたんじゃ」と口にしていたから、算太であっても矛盾はない。
もし、算太なら現時点で63歳。自分の持ち逃げのせいで安子とるいが生き別れになった上、安子が日本から逃げるように渡米したと知ったら、愕然とするだろう。崩れ落ちるかも知れない。
大姪(妹の孫)・ひなたとの出会いから自らの大罪を知るとしたら、やはりヒロインを3人にした効用。一代記では難しい。
桃太郎からも目が離せない。没交渉になっている、るいと叔父・勇(村上虹郎、24)が、ともすれば大甥(姪の息子)である桃太郎(野﨑春、10)が端緒となって、再び接点を持つかも知れないからだ。
カギになるのは野球にほかならない。桃太郎は野球少年である。いつもブラブラしているジョーは少年野球を見守るのが大好きだ。
1941年から5年間、甲子園が中止になったため、勇は悲願の出場が果たせなかった。野球狂であるから、ずっと悔いが残っているはず。その夢を桃太郎が代わりに果たしたら、安子を愛し、るいも可愛がっていた勇は感極まるに違いない。男泣きするのではないか。これもヒロインが3人だから浮上する可能性である。
藤本さんは作品を半端な形で終わらせたことがない。制作陣も釈然としない部分は残さないことをほのめかしている。もつれた糸は必ず解きほぐされる。
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