快挙の「ドライブ・マイ・カー」 三浦透子と「カムカムエヴリバディ」の奇しき縁

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 濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が、米アカデミー賞の作品賞など4部門にノミネートされた。主演は西島秀俊(50)。物語の軸となる役柄で助演したのは三浦透子(25)である。三浦はNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のレギュラー出演陣に加わったばかりだ。

6歳の時から藤本有紀さんと縁

 三浦透子の朝ドラ出演は「カムカムエヴリバディ」が初めて。演じている役柄は野田一恵だ。るい(深津絵里、49)の親友・一子(市川実日子、43)の娘であり、るいの娘・ひなた(川栄李奈、26)の親友である。

 大評判の朝ドラに出演し始めた途端、飛び込んできた吉報。「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞にノミネートされた。

 うち、最も価値ある作品賞へのノミネートは日本映画界にとって初の快挙。

「そのような作品に関わることができた自分は、幸せ者だなと改めて実感しています。感謝の気持ちでいっぱいです」(三浦が発表したコメントより)

 もっとも、三浦にはツキがあったとか、巡り合わせが良かったなどと思う人間は映画界やドラマ界にいないはず。子役のころから演技力が広く認められていたからだ。

 例えば6歳の時には名作の誉れ高いフジテレビ「天才柳沢教授の生活」(2002年)に出演。戸田恵子(64)と小日向文世(68)の娘を好演した。ちなみに、この作品の脚本を書いたのは「カムカムエヴリバディ」と同じ藤本有紀さん(54)である(土田英生氏との共同脚本)。

壊れていく女性も熱演

 名子役で終わってしまう人もいるが、三浦は違った。観る側の目に焼き付いたのが、映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」(2018年)での笛子役だ。主人公の天才編集者・末井昭(柄本佑、35)の愛人だった。

 当初は若く美しい女性だったものの、やがて精神を病み、飛び降り自殺を図って、心身ともにボロボロになる。それでも足を引きずりながら末井に会いに来る。観る側は壊れていく笛子のド迫力に圧倒された。しかも、この上なくリアルだった。

 デビューは5歳。約3000人のオーディションを突破し、サントリーの清涼飲料水「なっちゃん」の2代目CMキャラクターに選ばれた。初代キャラクターは田中麗奈(41)だった。ピンと来る人もいるのではないか。

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