免疫機能に効く「最強のお鍋」の作り方 抗酸化物質が含まれる食材は?

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スープは残さず飲む

 堂園博士が勧める鍋料理の作り方はこうだ。

 まず「野菜スープ」の汁のみ(ファイトケミカルスープ)を冷凍庫などに保存しておき、料理をする時はそれを鍋に入れ、沸騰してきたら野菜やカキ、もしくは豚肉など好みの食材を入れて通常の鍋料理として食べる。これだけだ。

 もちろん肉を入れれば脂が溶け出すから、浮いた脂はお玉などですくってから食べる。最後は麺やご飯を入れ、鍋に残ったスープを飲み干すことは言うまでもない。舌を喜ばせるのは肉や魚でも、体を喜ばせるのはスープなのだ。

 今の時期、鹿児島は野菜いっぱいの黒豚しゃぶしゃぶを食すことが多いそうだが、これもスープに麺などを入れて残さず飲むという。

「野菜スープは、メインがスープであって具ではありません。逆に鍋料理は具がメインです。野菜スープは20分以上煮込むことでファイトケミカルが10倍100倍とスープに出ます。これと同じように鍋料理を煮込むと、どうしても肉類は固くなるし野菜は崩れます。料理は『簡単』『美味しい』『体に良い』が三位一体化しないと続きません。そういったことを考慮したのがこの方法なのです」

 鍋料理の高級店に行くと、まず鍋に自家製のスープを入れてくれるが、あれをファイトケミカルスープと考えればいいだろう。

「ファイトケミカルスープの利点はたくさんあります。まず、味がついていないこと。野菜の甘みくらいですから、あとでどうにでも味付けができます。カレーでもおでんでもシチューでも、だし汁のように何にでも使えるスープなのです。

冷凍して保存も

 またスープは冷凍すると使い道がさらに広がります。最近は共働きの夫婦が多いから、先に帰った人が、冷凍したスープを解凍して温めておけば、それだけで時短になるわけです。この冷凍して保存できるというのが、ファイトケミカルスープの2番目の利点ですね。みんなご飯を作るのが面倒なんです。だから仕事帰りにコンビニ弁当を買って食べる。でも、スープの作り置きさえあれば、ご飯を入れればおじやになるし、即席麺をこのスープで煮込んでもいいわけだから、インスタント食品と同じ手軽さです」

 市販のスープの素には添加物だらけのものも少なくないから、それを避けるためにも最高の調理法だ。

 ただ、気になることがある。大量に野菜スープを作って汁のみを料理に使うと、具の野菜が大量に余って困るのではないか。堂園博士は、具はカレーに入れたり、ミキサーでドロドロにしてスムージーにしたりと、使い道はいくらでもありますと言ったが、このあたりは野菜を細かく刻むよりも、前回紹介した成田和子さんの「丸ごと野菜スープ」の方が使い勝手がいいかもしれない。

 成田さんは煮込んだ野菜を具とスープに分けて冷凍保存し、具はカレーやシチュー、グラタン、パスタ、餃子、ハンバーグ、お好み焼きなどの材料にするそうだから、同じように野菜はざっくり切った方が使い道は多いかもしれない。

 ただ個人的にいえば、鍋料理の野菜は煮込んで柔らかくなっても、それはそれで美味しいと思っているので、鍋が沸騰したら弱火にして野菜を入れ、10~20分ほど煮込んで食べている。だから一般的なレシピと変わらない。

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