「婚活アプリ詐欺」で逮捕男「世の中にはだます奴がいっぱいいるからオレでよかった」1億1500万円をむしり取られた「銀座ホステス」の告白(その1)
「慶応に幼稚舎から通っていた」もウソ
京都府警は2月9日、婚活アプリで知り合った銀座ホステス(36)と結婚を前提に交際し、カネを預けてもらえば元本保証をしたうえで毎月配当金を支払うと約束し、合計1億1500万円をだまし取ったとして、詐欺容疑などで岡寛仁容疑者(34)を逮捕した。世間では手練手管とされている銀座のホステスがいかにしてだまされたのか。ウソで塗り固められた岡容疑者の手口について、ホステス本人が語る。
【写真】岡寛仁容疑者と1億円の振込依頼書、LINEのやり取りなど
「岡容疑者とは2021年3月、婚活アプリ『P』を通じて知り合いました。新型コロナの影響でホステスを辞め、京都に居を移していたころです」
と話すのは、銀座ホステスの武田良子さん(=仮名)。北川景子似の美人である。
「その後に1億1500万円をだまし取られ、6月に警察に被害届を提出しました。捜査の過程で、岡容疑者は独身ではなく妻帯者で子供がいること、慶応に幼稚舎から通っていたことや司法書士などの資格を持っているなどと言っていたのも全てデタラメ、20億とも語っていた預金などないこと、生年月日を偽っていたこと……など、挙げればキリがないほどのウソを重ねていたことがわかりました」
岡容疑者にだまし取られた現金は、重い直腸がんを患う母と難病を発症した父の治療費のために生命を削って貯めたものだった。
「私自身、大きく傷つき人間不信になってしまうほどショックを受けましたが、2度とこのようなことが起こらないようにということで、恥を忍んで今回お話しすることにしたのです」
“嘘は本当につかないですね”
良子さんは結婚を前提にした交際を望み、婚活アプリに登録していたところ、岡容疑者とマッチングするに至ったのだが、アプリ内での会話やその後のLINEでのやり取りを通じ、将来を約束する間柄にはなり得ないだろうと感じ、「交際することはない」と岡容疑者に伝えていた。以下、LINEのやり取りも交えながら、2人の関係を振り返っていく。
2021年3月11日の岡容疑者からのLINEには、〈貯金1億? 株1億5000万? 不動産?〉などという文言が確認できる。
「これは私が彼に、資産額として貯金1億、株1億5000万、不動産5000万といったものがあると話していたことに基づいています。今振り返ってみれば、私が伝えていた貯金や収入の額だけに興味があったのでしょう。伝えるべきではなかったと後悔しています」(良子さん、以下同)
貯金の1億円は数年前に母名義で預金していたもので、株の1億5000万円は、USリートという不動産投資信託に約1億円、楽天証券のFX投資に5000万円という内容を指している。
岡容疑者に「交際はない」と伝えたものの、それ自体がちょっとキツすぎたのではないかと感じた良子さんは、翌12日、岡容疑者に謝罪するつもりでメッセージを送ってしまう。
「ちょっとしたやり取りの中で、唐突に“今日会えますか?”と言ってきました。当時私は美容クリニックの治療直後で顔にカサブタがあることを理由に断ったところ、六本木、恵比寿、新宿にマンションを借りていること、不労所得が月に950万円あること、宅建、行政書士、司法書士の資格を取得していることを問わず語りに告げられました。加えて、“嘘は本当につかないですね。お金の事や約束事は特に!!面倒ごとだけは、本当に嫌なので”とのメッセージも届いたのです」
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