【埼玉・白岡15歳少年暴行死】颯太くんの祖父が語った「娘と関わりたくない」 過去には家賃滞納で夜逃げ
「名前が報道されたから殺しにくる」
父親は“関わりたくない”と繰り返した上で、
「恵のきょうだいは、みんな真面目にやっているのに、恵にたくさん迷惑をかけられてきたんだから。今は恵以外が入っている家族のLINEグループでやり取りしてるけど、きょうだいの中には、自分の家族に今回のことを話していないのもいるかもしれないな……」
と、こう語る。
「恵は電話で前夫の名前を出して“加藤颯太って名前が報道されたから殺しにくる”と怯えていた。殺しにくるわけないのにさ。とにかく早く真実が明らかになってほしいよね。そうじゃないとやりきれません」
恵さんはDV男である前夫の影に怯えながら内縁夫との生活を送っていたのだろうか。そんな中、颯太くんが命を落とす。その時、彼女はあまりの「不幸の連鎖」に絶望したのか否か。そして、側にいたであろう内縁夫はどう受け止めたのか。
地元では有名なワル
現在50代の内縁夫の実母は、埼玉県内の団地に住んでいる。その母親について、近所の住人は、
「10年くらい前まで焼き鳥屋さんをやっていた、と本人が言っていました。彼女は元々は上尾市内の団地にいて、その後、ここに息子さんと一緒に引っ越してきたはずです」
“息子さん”、つまり内縁夫については、頬に指で線を引く仕草をしながら、
「こっちみたいな人で、ちょっと柄が悪いというか、怖そうな感じの人です」
実際、彼の知人によると、
「中学の頃から地元では有名なワルで、10代後半からは母親と一緒にスーパーの魚売り場で働いていましたが、大宮のディスコの黒服をやっていたこともある。その後は配送業のようなことをやっていました」
別の近隣住人の話。
「息子さんはSUVのような大きな車を何台も持っていて、駐車場ではないスペースにも車を停めたりするので団地の自治会から注意されていました。団地の踊り場で怒鳴っているのを見たこともあります」
ある時期から「息子さんの奥さん」も同居するようになったという。その後、団地を出た二人は埼玉県北東部にある一軒家でしばらく生活していた。この「奥さん」と入籍していたのかは定かでない。が、彼女と別れた後、恵さんと内縁関係になったと思われるのだ。
団地の部屋に内縁夫の母親を訪ねると、ドアをほんの少し開け、ご本人が顔を出した。黒髪のいわゆる「おばちゃんパーマ」にピンクの口紅とチーク。80歳前後とは思えない外見だ。
――颯太くんが亡くなった事件に関して、息子さんを疑う声もあるが?
「そう。何も関係ないのに、なんで疑われなきゃいけないのかね」
――お母さんから息子さんに連絡は?
「いや、してないけど連絡は。だから信じる。そういうことするような子じゃないから。かわいそうな人を見たら助けてあげなさいって、親はそういうふうにしてあの子を育ててるからね。そういう人じゃないんだってことをね、アタシは信じてもらいたい」
息子を信じる母親。娘を心配しつつ、関わることを拒否する父親。痛ましい事件の背景で、家族たちの思いが交錯する――。
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