【埼玉・白岡15歳少年暴行死】颯太くんの祖父が語った「娘と関わりたくない」 過去には家賃滞納で夜逃げ

国内 社会

  • ブックマーク

看過できない娘の嘘

 大きくため息をついた父親の脳裏には、まだ幼い時の颯太くんの姿が刻まれている。

「最後に会ったのはすごく小さい頃だったから、颯太の顔すら忘れかけてたもん。でも報道で写真を見たら、わーっと思い出してきた。幼い頃の姿がね。可愛らしくて。明るい子でしたよ。正直、ほとんど会ってなかったから孫って感覚もあまりなかったんだけど、やっぱり写真を見たら思い出しましたよ。15歳であの世に行っちゃうなんて、かわいそうでね……」

 消え入りそうな声でそう話す父親によると、恵さんとは7年近くも音信不通の状態が続いていたという。

「それで久々に電話がきたと思ったら子供が8人って! たまげたよもう……。子供の将来どうするんだよ、学校も行かせないで。颯太がお腹にいる頃に言ったんです。“もう子供は作るんじゃねぇぞ”って。だって面倒見られないんだから。今回みたいなことになっちゃうんじゃないかって、目に見えてたから……」

 呆れ果てる父親が報道の中に発見した「娘の嘘」。それは親として看過できないものだった。

「恵が“自分は学校にあまり行ってなかったけど看護師になれたから、子供も学校に行かせる必要はない”と言っていたという報道がありましたけど、とんでもない。高校まで行かせて、看護学校にも行かせて、そんで看護師になったんだから。嘘ばぁっかしなんだよ、言ってることが。ふざけんなよって話だよね。ちゃんと学校に行かせていたのに、ショックというか、やっぱり傷ついたよね」

「前夫はDVで逮捕された」

 恵さんは5人きょうだいの長女。小学校、中学校時代の彼女の話をする際は、父親の表情も柔らかくなる。

「中学ではソフトボール部に入っていました。不登校になることもなかったし、成績も普通でした。子供たちには“携帯代くらいは自分で払いなさい”と言っていたから、高校時代は長崎ちゃんぽんの店とかでバイトして払っていました。高校を出て看護学校に行き、看護師をやっている頃までは本当に普通の良い子でしたよ。きょうだいの面倒もみてくれるし、明るくて、人と関わるのも上手だった。人に嫌われることはあまりなくて、友達も多かったですね」

 そんな彼女の人生が妙な方向に転がり始めたのは、前夫と結婚した頃だった。

「結婚したのは20代前半かな。前夫には正直、あんまりいい印象はなかったです。見た目も悪そうな感じだったし。でもできちゃった結婚だったから……止めるも何もね。前夫は結婚した頃は定職に就いてなかったのかな。その後は廃品回収をやるような会社に勤めていた。うちの家業を手伝っていたこともあるんですが、廃品とかがあると勝手に持って行っちゃうんだから。うちの若いのとけんかもするし……」

 挙句の果てには、

「前夫は恵に暴力をふるって警察に捕まってしまった。後から知ったんですが、何か前科があったみたいで、そのせいか一発で刑務所行きになっちゃった。これも後から分かったのですが、捕まる前に前夫が車を買っていて、恵のきょうだいが保証人になっていた。それを踏み倒されてきょうだいが全部払うことになって、車もどこに行っちゃったのか分からない。そういうこともあったからもう、娘は娘なんだけど、関わりたくないんだよ……」

次ページ:家賃を滞納し尻拭い

前へ 1 2 3 4 次へ

[2/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。