年金依存「埼玉立てこもり男」の極貧生活を知人が証言 「よく借金取りが訪れていた」

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老母と仲睦まじい様子を見せていた容疑者

 二人だけになった渡辺容疑者と実母は、10年ほど前から埼玉県内を転々とする。

「彼は家のポストに極真会館のシールを貼り、拳には空手だこがあって強面の印象でしたが、普段は日雇い仕事をやるような作業着姿で、所沢の物流会社に勤めていると……。介護中心の生活で定職に就けず、頼みは母親の年金だけと言っていたね。家賃の保証会社に40万円を滞納し、強制執行で追い出されたこともあった」(地元の不動産関係者)

 極貧でも母にはカネに糸目をつけず使った。地元の介護タクシー業者によれば、

「予約をドタキャンされることも多々ありましたが、通院や買い物で3~4時間も乗車を延長していただくことがあった。料金も1万5千円くらいになることもあって、お金には困っていない印象でしたが……」

 介護タクシーで家から離れた川越市内のメガネ店を訪れたこともあったそう。

「母親の補聴器を買いに来た容疑者は、“お母さん”と呼びかけ大事そうに世話をしていた」(メガネ店販売員)

 車椅子を押しながら、老母に頬を寄せ仲睦まじそうに語り掛けていたという渡辺容疑者。その心情を、少しでも周囲へ振り向けられなかったのだろうか。

週刊新潮 2022年2月10日号掲載

特集「事件の裏に人間模様」より

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