「聖隷クリストファー落選」に現役指導者からも異議続出…問題だらけの高校野球で問われる“高野連の責任”
クラウドファンディングも失敗
また、コロナ禍によって、地方大会も甲子園大会も無観客での開催が続き、財政的に苦しい状況も明るみになっている。これに対して、日本高野連は昨年1億円を目標にクラウドファンディングを実施したが、結果は達成率約14%で、1392万7884円しか集まらなかった。3000円から50万円まで8種類の支援が用意されていたが、そのリターンは全て「A-port(朝日新聞社が運営するクラウドファンディングサイト)のページに、お名前掲載、感謝のお手紙、寄付金受領証明書」と金額によっての差がないことを見れば、当然の結果と言える。
笹川スポーツ財団がまとめた「『12~21歳のスポーツライフに関する調査』2019」によると、この年代が観戦したスポーツについて直接現地とメディアを通じての両方で高校野球はプロ野球に次ぐ数字を誇っており、国民的スポーツであることは間違いない。
それだけの影響力があるコンテンツでありながら、財政難となった時に善意による寄付にしか頼れないという構造は大きな問題だ。ほかにも、高校野球には、プロアマ規定や過密日程、指導者や選手による不祥事といった問題点がまだまだ山積している。日本高野連はこうした難題にどう立ち向かうのだろうか。
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