「聖隷クリストファー落選」に現役指導者からも異議続出…問題だらけの高校野球で問われる“高野連の責任”
「毎年、関東と東京の6校目はもめる」
それを防ぐにはやはり、シンプルに秋季大会の上位校が出場する方式がベストではないだろうか。“選抜”という形にこだわる必要があったのは過去の話であり、その方法が野球、スポーツの根幹にそぐわないのであれば改めるべきだろう。
前述した指導者7人に聞いても、秋季大会の結果を重視する方法に対して異論の声はなかった。
「毎年、関東と東京の6校目はもめますよね。直接の対戦もなく、相手チームも違う中で比較しようというのはそもそも無理があると思います。ちゃんと代表決定戦をするほうが、現場は間違いなく納得するでしょうね」(関東地区の高校野球指導者)
この指導者が語るように、議論になることが多い関東・東京と中国・四国の地区をまたいでの枠も見直し、「選抜高校野球」という名称を改めて「春の全国高校野球選手権」とすれば今回のようなケースは防げるはずだ。
「継続試合は一日でも早く導入してほしい」
そして、高校野球界にはまだまだ問題が散見される。たとえば、激しい雨天なのに、日程消化のために、無理やり試合を続行させる大会運営だ。昨年夏の甲子園では、大阪桐蔭対東海大菅生戦でボールが転がらないほどの悪天候の中で試合を決行。8回途中でコールドゲームとなったが、あまりのコンディションの悪さに選手に対する同情の声は多かった。
その3カ月後に開かれた秋の九州大会の大分舞鶴と大島の試合を取材したが、延長10回4対4で降雨による引き分け再試合となった。中盤からはとても満足に試合ができるコンディションではなく、9回終了時点には観客席からも、試合中断を促す罵声が飛び交うほどだった。
「夏の大会は日程に余裕がないので、特に強引に試合を進めることが多いですよね。去年の甲子園はその最たるものだと思います。こちらは当然雨でも集中するように言いますけど、度を越しているケースもありますよね。審判の判定もだんだんおかしくなってくる。継続試合は一日でも早く導入してほしいですね」(関東地区の高校野球指導者)
昨年の夏の甲子園期間中に、日本高野連は試合の成立条件を満たしていない段階でプレーを止め、後日、続きを行う「継続試合」について議論していると発表したが、いまだに具体的な導入の時期は見えてこない。球数制限の導入にもかなりの時間を要したが、安全に試合を行うためにも早急な対応が必要だ。
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