新庄「日ハム」に絶対必要な若手の台頭 救世主になり得る“6選手”の実名
新庄監督が掲げる“足の速い左バッター”という条件
最後は外野手だ。昨シーズン、大卒ドラ2のルーキーながら男子陸上のサニブラウンに勝った俊足を武器に5月上旬に1軍初昇格を果たした五十幡亮汰に期待したい。6月8日の交流戦・阪神タイガースとの試合で負傷し、登録抹消されるまでの計19試合で打率2割8分6厘、1本塁打、4打点をマーク。走っても西川遥輝に次ぐチーム2位の8盗塁を記録するなど、その快足が存在感を示していた。
終わってみれば27試合に出場し、打率2割2分5厘、1本塁打、5打点、9盗塁。プチブレイクしかかっていただけに、返す返すもケガが残念だった。ただ、通算4度の盗塁王に輝いた西川が移籍したことで、外野の一角とリードオフマンが十分手の届く位置にある。新庄監督は“足の速い左バッター”を4番の条件に挙げており、特長が合致する五十幡はまさに“4番候補”。チャンスメークに回るのか、それとも4番か。新庄BIG BOSSの采配に注目だ。
外野手からもう1人、大砲候補の名を挙げたい。五十幡と同期入団のドラ6大卒外野手・今川優馬である。ルーキーイヤーとなった昨季は4月16日に初の1軍昇格を果たすも、6試合の出場で11打数ノーヒット4三振と結果を出せず登録抹消となった。その後は長らく2軍調整が続いたが、9月12日に1軍再昇格を果たしている。同日の福岡ソフトバンクホークス戦に6番・レフトでスタメン出場。第1打席では和田毅からレフトへの2ランを放ち、プロ初安打・初本塁打・初打点を記録している。最終的には13試合に出場し、打率0割7分1厘、1本塁打、2打点という成績であった。
今川の魅力はなんといっても“右のスラッガー”という点だ。社会人野球・JFE東日本時代には、右方向へも長打が打てるアマ球界屈指の打力が評価され、社会人のベストナインにも選出されている。1軍では苦しんだものの、2軍では最終的に打率3割1分、14本塁打、46打点。特に長打率6割6厘はチームトップの数字を記録するなど、見事な成績を残している。アッパースイングから広角に打てる長打力を武器にレギュラー取りを狙いたいところ。中田翔(現・読売)や大田泰示といった大砲2人が抜けただけにチャンスは十分ある。
以上の6選手に注目したが、過渡期を迎えたチームは、裏を返せば一気に“世代交代”を推し進めるチャンスがあると言える。BIG BOSS新庄もあっと驚く意外な伏兵が現れてもおかしくはないのである。
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