新庄「日ハム」に絶対必要な若手の台頭 救世主になり得る“6選手”の実名

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 球春到来。2月1日から日本のプロ野球は全12球団が一斉にキャンプインし、3月末の開幕に向けて準備を整えている。なかでも最大の注目を集めるのが、“BIG BOSS”こと新庄剛志新監督が率いる北海道日本ハムファイターズだろう。3年連続Bクラスに低迷するチームをどう再建するか、手腕が問われる。長年レギュラーを張った西川遥輝(現・東北楽天)や大田泰示(現・横浜DeNA)らがチームを去ったこともあり、新戦力の台頭に期待したいところだ。そこで今回は、今季3年目以内の若手選手から「これは」と思う注目選手を紹介したい。

 まずは投手からだ。昨季、チームで二ケタ勝利を挙げたのはエース・上沢直之(12勝)と伊藤大海(10勝)の2人の右腕だった。左腕で唯一ローテーションを守ったのはプロ7年目を迎える加藤貴之だけ。その加藤も援護に恵まれず、勝ち星は6勝7敗と伸び悩んでしまった。この加藤に次ぐ先発左腕として、今季3年目となる河野竜生を挙げたい。

 19年のドラフトで社会人No.1左腕と評され、最速151キロの直球を誇る。小さなテークバックから速い腕の振りで打者のタイミングを狂わせることもでき、そこに緩急をつけるためのカーブ、決め球のスライダーとツーシーム、チェンジアップを交えて打者を打ち取っていく。昨年は開幕ローテーション入りしたものの、不振からわずか2先発で中継ぎへと配置展開されてしまった。

 しかし、プロ初のリリーフ登板で3回パーフェクトの快投でプロ初ホールドを挙げると18試合連続無失点を記録。28試合のリリーフ登板で2勝0敗8ホールド、防御率0.29と抜群の成績を残したことで後半戦からは先発へ再転向した。シーズン全体では40試合の登板で3勝6敗9ホールド、防御率2.99という成績であった。

 リリーフで高い適性を発揮したが、やはり本来は先発タイプである。リリーフ起用で一皮むけるなど、まだまだ伸びしろがある点も魅力だ。勝負となる3年目の今季は1年通してローテの中心投手を担い、一気に二ケタ勝利達成の期待がかかる。

捕手、内野手は

 次は捕手だ。昨季100試合に出場した清水優心が今年も扇の要を担うだろうが、若手で面白いのが20年ドラフト3位入団の古川裕大である。上武大卒の右投げ左打ち。大学では1年春からベンチ入りし、2年春にはDHでベストナインを獲得している。正捕手に定着したのは3年春からで、そのときは最多本塁打、最多打点、最高出塁率を記録する活躍をみせた。捕手でもベストナインを獲得し、チームをリーグ優勝へと導いたのだった。3年時には侍ジャパンの大学日本代表にも選出されている。

 二塁への送球タイムは1.82秒と強肩を活かした守備が持ち味だが、大学3年秋には首位打者に輝き、リーグ通算本塁打数も12と長打力が光る。ドラフト時には“打てる捕手”、“大学No.1捕手”との呼び声が高かった逸材だが、昨シーズンは1軍出場がなかった。2軍では58試合に出場して打率2割3分2厘、2本塁打、22打点と苦しんだが、秘めたポテンシャルの高さは相当なもの。正捕手は清水を中心に石川亮、宇佐見真吾らが争うとみられるが、チームはショートスターター型の先発が多いだけに、様々なリードが要求される捕手の重要性はさらに増す。古川としてはブロッキング、キャッチング、スローイング、そしてバッティングとすべてにおいてレベルアップを図り、正捕手争いに加わりたいところ。古川が台頭することで捕手陣の競争がより激しくなるはずだ。

 内野手に目を向けると、ポジション争いが最も激しくなりそうなのがショートである。石井一成や、ベテランの域に達した中島卓也がこなしてきたが、今オフはドラフトでこのポジションを大量補強し、競争と成長を促そうとしている。そんなドラフト組で期待したいのが、社会人野球のNTT東日本からドラフト9位で入団した上川畑大悟だ。小柄ながら50メートル6.0秒の俊足と遠投110メートルの強肩を活かした好守が魅力で、スカウトが「自然にグラブにボールが入っていくように見える。まるで手品師のよう」と絶賛するほどのレベルだ。一方、下位打線で起用されていることもあり、打撃力アップが課題である。それでもドラフト直後の都市対抗野球では大会を通じて打率4割1分7厘と大活躍し、チームのベスト4入りに貢献した。キャンプではさらに力をつけて一気にレギュラー奪取といきたいところだ。

 かたや打撃力を武器にショートのレギュラーポジションを狙うのが、20年のドラフト4位で智弁和歌山から入団した細川凌平だ。ルーキーイヤーだった昨年は、右手首の手術の影響で2軍で28試合の出場に終わったものの、打率2割9厘・1本塁打・10打点を記録。10月18日には1軍初昇格を果たし、同日の試合に8番・ショートでプロ初出場・初スタメンを飾った。また第2打席でプロ初安打もマークしている。初の守備機会となった4回の遊直ではダイビングキャッチを試みるなど、4度の守備機会も難なくこなし存在感を示した。昇格後の9試合にはすべて出場、うち6試合はスタメンで起用され、打率2割という成績を残している。

 細川の特徴はバットコントロールが巧みでありながら、しっかり振り切るスイングで3方向に打ち分ける左の巧打者だということ。そのスイングの軌道は抜群で栗山英樹前監督はコーチに対して「誰もいじるな」と言っていたほど。昨シーズン終盤での1軍経験を今シーズンの飛躍のきっかけにし、1軍定着を狙う。

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