巨人「中田翔」は清宮幸太郎とは対照的に20キロ増量 張本勲氏はどう見ているか

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コーチの役割

 かつて張本氏は、通算437本のホームランを記録した秋山幸二氏を指導したことがあるという。

「当時、西武の監督だった広岡達朗さんから連絡があって、『いい新人がいるんだが、ホームランを20本くらい打てる選手にしてもらえないか』と頼まれたんです。さっそく見てみると、素質が凄い。広岡さんに『あれなら40本打てる』って太鼓判を押したんだけど、秋山くんも中田くんと同じようにスタンスが広かった。プロの球は速いので、体に当たるのが怖い。だから、バッターボックスの前に立てない。後ろに立つ代わりにスタンスを広く取って、ピッチャー側に向かおうとするんだね」

 張本氏は、釘を打ち付けた板を秋山氏の足の前後に置き、スタンスを狭くさせてバッターボックスに立たせたという。

「王(貞治)、長嶋(茂雄)、イチローと、名バッターは独自のフォームを持っています。ただし、下半身の使い方は共通しています。合理的な体重移動を追求すると、必ず同じになる。私は何度も中田くんにアドバイスしているんだけどねえ、もう忘れちゃっているだろうなあ」

 張本氏は「巨人のコーチ陣は中田くんの体重の管理じゃなく、フォームの改造に全力を尽くしてもらいたいね」と言う。

「フォームを変えるのは誰だって怖いんです。失敗したらどうしようと思うからね。でも、中田くんの今季は正念場だよ。原(辰徳)監督はシビアだから、切るときは切る。でも素質から言えば、ジャイアンツというより日本球界の宝物だからね。ホームランバッターとして再生できるよう、サポートしてやってほしい。ファンも中田くんのホームランを一番楽しみにしているはずだから」

清宮のフォームも問題

 ちなみにデイリー新潮は2020年8月、「プロ3年目『清宮幸太郎』がパッとしない 張本勲氏が指摘する打撃フォームの欠陥」の記事を配信した。

 この中で張本氏は清宮の問題を、以下のように指摘している。

《「清宮は打席に入ったとき、右足を引いて構えています。左打者はステップしたとき、左足の親指より右足の親指を前に出して踏み込みます。ところが、彼の場合は逆なんです。左足が右足より前に出ているので、斜めに構えたフォームになっています。これだと、アウトコースに来た鋭い球を、しっかりスイングすることができません。腰が開いてしまうので、力強い回転もできないんです」》

 この欠陥は今も変わっていないという。

「中田くんはスター性があるから、巨人から切られてもまだ関心を持つ球団があるかもしれない。しかし清宮くんの場合は、今シーズンが正真正銘の正念場でしょう。彼も体重が問題なのではなく、フォームに欠陥があるために不振に陥っています。中田くんと全く同じですね」

デイリー新潮編集部

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