文大統領の「竹島イラスト付きの歳暮」に狂喜乱舞の国民「過去の侵略に対する反省を」「韓国が韓国の土地を描いた歳暮を贈ってなにが悪い?」

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どうしてこんな奴らに贈るんだ

 文大統領による歳暮が問題となったのは今年に限った話ではない。2020年の旧正月時には、歳暮の受取人に日本の輸出管理関係者が含まれていることがあった。この時には韓国民から「どうしてこんな奴らに贈るんだ」と反発を買っている。というのも日本政府が韓国向けの輸出管理の強化を発表したのは2019年7月1日のこと。これを機に韓国では反日不買運動が展開されており、2020年の旧正月時はその真っ只中だった。

 また、2019年の旧正月時には、民主平和党の文靖善(ムン・ジョンシン)議員から「大統領府による全羅北道(ジョルラナムド)バッシングに遺憾を示す」と批判されたこともあった。

 それというのも、就任後3度にわたって歳暮や中元を贈る機会があったにもかかわらず、唯一、全羅北道産のものだけが除外されていたからだ。過去に全羅北道の議員複数名が文大統領を叱責する場面があったとされ、それが除外の原因ではないかと噂されていた。

 もっとも、“大統領の贈り物”についての批判は文大統領のみならず、朴槿恵(パク・クネ)、李明博(イ・ミョンバク)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)の歴代大統領にもつきまとってきたことも偽らざる事実だ。

前例がなく驚異の支持率アップ

 しかし、これまでと今年の違いは、批判の声を上げたのは日本側だけで、韓国民は文大統領を絶賛した点だ。

 ざっと紹介してみると、

「独島(=竹島)は歴史的にも、文献にも大韓民国固有の領土とある。ドイツの歴代首相やドイツの国民に少しは学べ。そして過去の侵略に対する反省を…」「日本に地震が起こって、火山が噴火して、津波が起こっても多くの韓国人は残念に思わないだろう。隣国として邪念をこれ以上持ち込まないでくれ」「韓国が韓国の土地を描いた歳暮を贈ってなにが悪い?」

 おおむねこの調子で、「文大統領は間違ったことをした」と論難する意見は見当たらない。実際、「異例の高支持率“40%”」と報じられたように、今回の贈り物による“竹島の領有権主張”は彼の支持率を上昇させたのだった。

 具体的には、1月2週:40.3%、3週:41.0%、4週:42.1%と推移しており、任期ギリギリの現職大統領が支持率40%台を維持するのはいまだかつてなかったほどだ。

 大統領がどこまで効果を意識して今回の贈り物プランを練ったのか判然とはしないが、レームダック化が叫ばれて久しい政権にあって、最後の意地を見せたと言えるのかもしれない。

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