「慰安婦=職業売春婦」論文で「村八分」となったハーバード大教授が激白する“異常なバッシング”

国際 韓国・北朝鮮

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「アメリカの大学が韓国のようになっていいのか」

 一連の動きは異様であった。日本軍が朝鮮人女性らを強制的に慰安婦にしたという説は合理的ではない。どこの軍基地も、周辺には売春宿があり、積極的にそこで働きたい売春婦がいる。金のために自らその職を求める女性は少なくない。そんな中、日本軍が朝鮮人女性(そもそも日本国籍を持っていた)を無理やり集め仕事を強制したのか。そんな話は筋が通らない。

 しかし慰安所に関する論争は、“政治”に深くかかわる。韓国からの攻撃の背景に、政治があることは、本誌(「週刊新潮」)読者には明らかであろう。今の韓国政府に対する有権者の支持は、強烈な反日と日本批判を基礎としている。日本軍が朝鮮人女性を慰安所に送るために強制連行したという説は、有権者支持の一部を成している。この説こそが、現政権の勢力を維持する一助であり、私に対する攻撃は選挙における力学からもたらされている。

 韓国は民主主義国家であるが、慰安婦問題には異を唱え論じることがない範囲に限定した民主主義である。強制連行を否定する学者は大学職を追われることもある。時として刑事訴訟に発展することすらある。そうした受け入れがたい行為をマイケル・チェのような学者は米国の大学にも持ち込みたいようだ。

人文学科の多くが極左

 本誌の読者には、米国における日本研究者(例えばゴードン、スタンレー、アンバラスら5人のグループ)の政治的背景は分かりづらいかもしれない。そのヒントはカーティスが最近執筆した論文にある。彼女によると、

「特権、制度、持てる者のネットワークは、一部のグループ(それはたいてい上級職にあるエリート組織の白人男性ら)が職権乱用することに寄与している」

 そして彼女のような研究者たちは、私のような「上級の白人男性」から大学を「解放し改革する」ことに苦闘しつづけている、と説明している。

 このカーティスのコメントは現代の米国大学の人文学科に存在する奇妙な政治状況を反映している。人文学科はそのほとんどが一様に左派であり、その多くは極左である。慰安婦に関する極端な民族主義コリア物語はそういう政治的思考に合致するようだ。

 ともかく、慰安婦問題が話題になると、スタンレーやアンバラスのような批評家らは、断固、徹底的に検閲するようだ。2021年11月中旬、著名な韓国の経済学者李宇衍(イウヨン)が、外交専門誌ザ・ディプロマットにある寄稿をした。彼は私と同じく、朝鮮人慰安婦は性奴隷であったという説に反対意見を持っていた。アンバラスは寄稿のスクリーンショットをツイッターにあげ、「慰安婦問題の否定論者らは醜悪である」と断じ、「なぜザ・ディプロマットはこんなクズ同然の寄稿を掲載するのか?」と続けた。

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