「慰安婦=職業売春婦」論文で「村八分」となったハーバード大教授が激白する“異常なバッシング”

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まるでお祭り騒ぎに

 私の批判者らはツイッター上でお祭り騒ぎを楽しんでいる様子だった。

「ねえ、ラムザイヤーのこのひどい論文に、少なくとも5人の女性が編集者に要望書を送ったと言っている」

 カーティスがそうツイートし、「男性の学者は何人が抗議した?」と続けた。

 2週間のうちに、シェパード、スタンレー、茶谷さやか(シンガポール国立大学助教授)、チェルシー・センディー(青山学院大学教授)――全員、人文学部の日本研究者――が、学術誌に対して私の論文掲載撤回を求める30頁にわたる要望書を共同提出した。

 ハーバード大学の同僚からも1週間の内に動きがあり、日本史専門のアンドルー・ゴードンと朝鮮史専門のカーター・エッカートが論文掲載撤回を求める要望書を学術誌の発行元に提出した。

 5人の学者は私の論文に多くの間違いがあると主張し、ゴードンとエッカートは、私が実際の契約書を見ていないと主張した。そして両者とも、これは学問における大いなる不正行為であると非難したのだ。

所属団体への圧力

 ハーバード大学ロースクールの同僚ジニー・ソク・ジヨンは、ザ・ニューヨーカー誌(インテリ層に人気の雑誌らしい)に批判記事を投稿した。彼女は日本や朝鮮の歴史についてほとんど知識がないが、私を批判している人たち(例えばアンバラスやゴードン)に連絡をとり、彼らの主張を繰り返した。

 実際のところ、30頁超の論文の中で、ページ数などの類を除き、間違いは3カ所だった。それらはどれも大した間違いではなかった。

 ゴードンとエッカートは私が実際の契約書を見ていないと言うが、実際には、朝鮮人慰安婦・日本人慰安婦が契約に基づき働いていたことについて、多数の記述がある。このテーマに関する日本の書物のほぼすべてが契約に関して触れている。日本政府の文書、回想録、新聞広告、日記、その他にも、契約に関する記述がある。

 同時進行で、UCLAのコリア系アメリカ人政治学者マイケル・チェは、私の論文掲載撤回を求める署名運動を政治学者や経済学者らの中で組織し、最終的に3千を超える署名を集めた。署名の多くはコリアン姓であった。私には、署名した人の多くが日本または朝鮮の歴史について、さほど深い知識を持っているとは思えない。学者たる者が、自分が無知なテーマに関する論文の掲載撤回を求める署名をするなど、私には衝撃だった。だが実際、多数の学者が署名したのだ。

 アメリカ人教授らは、昔ながらの、そして非常に冷酷な村八分を始めた。ハーバード大学には日本研究プログラムがあり(元駐日大使かつハーバード大学教授の名前にちなんでライシャワー日本研究所という)、私はそこの委員会メンバーになっている。その研究所のウェブサイトに、日本研究をしている他の教授らが、ゴードンと5人の学者たちが繰り広げる批判を即座に掲載し、掲載はその後も半年近く続いた。

 また私はいくつかの学術グループの理事をしているが、私の批判者の一人は、私を理事会から外す検討をすべく、特別委員会を開くよう、理事会に圧力をかけた。

 批判者らはさらに編集者にも攻撃を向けた。複数の出版社が私の他の論文の掲載を予定していた。どれも慰安婦とは無関係の論文である。にもかかわらず、私を批判する人たちは編集者に対して論文掲載の中止を迫った。

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