和歌山で二階氏の後継を巡り“抗争”の火種が 攻勢の世耕参院幹事長、鞍替えを狙う鶴保庸介氏
昨年10月の岸田政権誕生により、すっかり権力の座を追われた格好の二階俊博元自民党幹事長(82)。表舞台でその姿を目にする機会はめっきり減ったが、お膝元の和歌山県では、二階氏の後継を巡って新たな計画が動きだしたという。
二階氏の地元・衆院和歌山3区といえば、世耕弘成参院幹事長がたびたびそこへの鞍替えを画策してきた、因縁の選挙区である。
自民党関係者によれば、
「世耕氏は、昨年10月の衆院選前に『衆議院議員候補』と書かれた選挙カーまで用意。二階氏が引退表明をすればいつでも攻め入る構えを見せていました」
二階氏の後継は公設秘書を務める三男・伸康氏との見方が大勢だが、無所属となってでも闘う姿勢を見せる世耕氏が相手では勝ち目はなし。一部では、和歌山3区を世耕氏に明け渡し、三男を世耕氏の後釜の参院候補に据えるという“無血開城案”も囁かれていた。ところが、
「なりふり構わぬ世耕氏の攻勢に二階氏は激怒。世耕氏との選挙区の交換は現状では考えにくい」
新計画のカギを握る人物は
そこで持ち上がったのが、“ウルトラC”の新計画。鍵を握るのは、和歌山1区で5期連続当選を誇る、国民民主党の岸本周平衆院議員だという。
「自民党県連は、年末までに行われる県知事選に、岸本氏を担ぎ出そうとしているのです。現職知事は、安倍晋三元総理の経済ブレーンだった本田悦朗氏を勝手に副知事に据えようとするなど議会との軋轢が絶えず、県連は次なる候補を探していた。岸本氏は保守系の政治家ですし、実は4年前の知事選でも自民党は彼に出馬を打診した経緯があるんです」
ウルトラCなのは、知事選の“その後”で、
「岸本氏の知事選出馬により1区では衆院補選が行われる。ただ、縁もゆかりもない1区で新人の三男が当選するのは難しい。そこで、二階派で和歌山県選出の鶴保庸介参院議員が、まず1区に鞍替え出馬する。そうすれば、鶴保氏が転出した後の参院補選で、二階氏の目の黒いうちに三男を擁立できるというわけです」
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