市川海老蔵は「歌舞伎座」が嫌い? 2年半で出演は1度のみ、襲名の遅れを松竹は危惧
「團十郎」襲名が遅れに遅れる市川海老蔵(44)だが、彼に囁かれる“不安”はそれのみではない。梨園の殿堂・歌舞伎座での出番は2年半で1回に留まるなど、松竹にとっては悩みの種になっているのだ。
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海老蔵の「團十郎」襲名は本来、一昨年5月の予定だった。しかしコロナの感染拡大で延期され、その後は見込みも立っていない。
「大名跡・團十郎の襲名披露となれば準備に時間がかかる。現時点で動きがないということは、今年中の襲名もないでしょうね。最短でも歌舞伎座で恒例の『團菊祭』が開幕する、来年の5月頃となるでしょうか」
とは、さるベテラン芸能デスク。3年後ろ倒しとなれば、懸念されるのは海老蔵自身より、長男・勸玄くんのことだという。
「勸玄くんも同時に『新之助』襲名を控えていますが、来年10歳になる。一方、海老蔵が新之助になったのは7歳の時です。襲名がまだということは、歌舞伎役者としての“お披露目”ができていないということですから……」
言わば入学式を済ませていない学生のようなもの。このままでは大きな役にも付けない、というのである。
独りよがりの…
その海老蔵、音無しの襲名スケジュールとは裏腹に、精力的に舞台をこなしている。この1月にも、芸人・西野亮廣原作の絵本「えんとつ町のプぺル」を歌舞伎にした公演を終えたばかりだ。
ところが――。
「ここ数年、彼が歌舞伎座に出演する回数が、極端に少なくなっているんです」
とさる梨園関係者が言う。
実際、彼の公演を見ると、最近の歌舞伎座出演は昨年7月。その前は2019年の7月に遡る。翌8月から数えれば、2年半で出番はわずか1回!
「歌舞伎座は役者にとってホームグラウンド。團十郎は歌舞伎界で最も権威のある名であり、その宗家の当主の足が主戦場からこれだけ遠ざかっているのは、極めて異例の事態といえます」(同)
その分、彼は先の「プペル」のように、「海老蔵歌舞伎」などと銘打ち、自らがプロデュースした公演に汗を流しているという。
しかし、
「松竹からすれば、“もう少し歌舞伎座に出てほしい”“古典も頑張ってほしい”というのが本音でしょう。海老蔵にとっても、自分のやりたい興行にばかり集中することで、歌舞伎座で同年代や先輩の役者と切磋琢磨する機会が失われています。関係者の中には、“芸が独りよがりになっているんじゃないか”と言う人もいるほどです」(同)
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