「致死率0.006%のデータを活かして」 沖縄県専門家会議座長が提言、緊急事態宣言は不要?
医療費を公費で賄うのは無理
〈政府分科会の構成員で、慶應義塾大学経済学部教授の小林慶一郎氏は、
「分科会の提言案は、社会をある程度動かしながら医療逼迫を防ぐために、若い人は受診せずに自宅にいてもらう、などの案を盛り込みましたが、現実として、感染者数の増加に伴い中等症以上の方は増えている。さらに加速度的に増えれば、医療逼迫を起こす恐れもあるとは思います」
と断りながらも、こう述べる。
「医療従事者の方々が濃厚接触者になると、一定期間勤務できなくなって、医療現場の逼迫が起こりやすいようにも思う。現状の濃厚接触者の隔離ルールは、オミクロン株には厳しすぎる気もします。また、重症化リスクがある方は原則、入院させていますが、リスクが小さい方や軽症の方は、宿泊療養施設や臨時の医療施設などに入ってもらい、急変したらすぐに対応できる体制を作るほうが、効率的だとも思います。しかし、そのあたりは国の判断になります」
分科会としても政府に提言し、決断を促してもらいたいものである。
ところで、オミクロン株がインフルエンザ並みなのなら、感染症法上の2類相当からの引き下げも急務ではないのか。藤田教授は、インフルエンザと同じ5類への拙速な引き下げに、まだ慎重だが、浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師は、こう話す。
「現在、保健所はコロナ関連の業務に追われ、ほかの業務ができなくなっています。いまは2類相当なので、感染者や濃厚接触者の隔離に関し、保健所が指示を出しますが、5類になればインフルエンザと同様、症状があれば自己管理すればよくなり、保健所の負担が減ります。また2類相当だと、医療費は公費で賄われますが、それをこれ以上続けるのは、財政的に無理ではないでしょうか。サポートするにせよ、高齢者や基礎疾患がある人だけにして、あとはインフルエンザと同様の診療費がかかるようにしてもいいと思います」〉
[5/6ページ]