石原慎太郎氏にムチ打つ「社民党副党首」と「大学教授」に欠けていること

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謝罪しない大椿氏

 本題に戻ると、箕輪氏や堀江氏の指摘を受け、かなりの批判が殺到した。それでも大椿氏は自説を曲げない。

 批判の中には、確かに酷い内容のものも少なくない。とはいえ、大椿氏の連続投稿に首を傾げる有権者もかなりの数にのぼるはずだ。連投された大椿氏の反論を全て紹介することはできないので、1つだけ引用しておく。

《「お前、それでも人間か」と言われている私ですが、人間だからこそ、「三国人が凶悪犯罪を繰り返してる」「ALSは業病」「障害者に人格はあるのかね」などという政治家の差別発言をスルーしたり、なかったことにしたり、引き継いだりしないために、振り返って検証することが大切だと考えています。》

 大椿氏は社民党の副党首だが、2019年の参院選(全国比例)と2021年の衆院選(大阪9区・比例近畿ブロック重複)ではいずれも落選し、国会議員ではない。今夏の参院選にも全国比例区で出馬するという。

 更に、法政大学法学部教授の山口二郎氏(63)も、同じように石原氏を痛烈に批判するツイートを投稿した。

《石原慎太郎の訃報を聞いて、改めて、彼が女性や外国人など多くの人々を侮辱し、傷つけたことを腹立たしく思う。日本で公然とヘイトスピーチをまき散らしてよいと差別主義者たちを安心させたところに、彼の大罪がある。》

3人の激しい論戦

 この投稿には自民党衆議院議員の長島昭久氏(59)が注目し、反論した。

《これは亡くなられた方に対する史上最低のコメントだ。/こういうのこそヘイトスピーチと言うのではないか。》

 長島氏のツイートには、続けて共産党の委員長・志位和夫氏(67)を評価する一文が書かれていたのだが、これは後に詳述させていただく。

 これに元新潟県知事で衆議院議員の米山隆一氏(54)が反論した。政治家とは《むしろ死亡した後こそ、全批判を受け取るべき》存在であると主張。《賛美したい人は賛美したらいいですが、批判したい人は鋭く批判したらいい》と指摘した。

 山口氏は《長島昭久という政治家は、無節操だけでなく、無知のようだ》と揶揄。《ヘイトスピーチを垂れ流した石原慎太郎への私の批判がヘイトスピーチとは聞いてあきれる》とツイートした。

 長島氏は山口氏の反論に対しては黙殺。米山氏に対しては《亡くなられた当日に、哀悼の言葉もなく悪罵を投げつける行為は常軌を逸しておりませんか》と疑問を呈した。

 山口氏は大学教授だが、民主党政権時は同党のブレーンとして活躍。立憲民主党を応援する姿勢を明確にしている。

 一方の長島氏は、民主党政権では野田内閣の総理大臣補佐官として活躍したが、2017年に民主党の後継政党である民進党を離党し、現在は自民党の衆議院議員だ。

 米山氏は2020年の衆院選に無所属で出馬し当選。現在も無所属だが、立憲民主党の院内会派に参加している。なかなか因縁浅からぬ3人が繰り広げた“論戦”だったわけだ。

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