【サウジ戦】スタメンは中国戦と全く同じでも試合内容は全く違った理由

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 カタールW杯アジア最終予選でサウジアラビアと対戦した日本は、伊東純也の最終予選4試合連続ゴールなどで2-0と快勝した。

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 これで勝点を18に伸ばし(グループBの1位サウジアラビアは19)、同日オマーンと2-2で引き分けた3位オーストラリア(15)との勝点差を3に広げた。

 3月24日に敵地で行われるオーストラリア戦に勝てば、1試合を残して7大会連続7回目のW杯出場が決定する。

「勝っているチームはいじくるな」とは、サッカーに限らずチームスポーツでよく言われるフレーズだ。そして森保一監督は、中国戦後に批判の出た長友佑都と南野拓実を、迷うことなくスタメンで起用した。

 メディアから批判されたからといって、いちいち選手起用に迷うような監督も困りものではあるが……。

 スタメンは中国戦とまったく同じ。しかし、試合内容は大きく違っていた。中国戦では足元から足元への緩いパスが多く、攻撃に緩急の変化や意外性が少ないと指摘した。ところがサウジアラビア戦は球離れが速く、判断のスピード、パススピードが格段とアップしていた。

 その原因は、サウジアラビアの素早いプレスだった。日本の最終ラインにこそプレスをかけに来なかったが、ミドルサードから最終ラインにかけてコンパクトな陣形を保ち、ボール保持者に対して複数の選手がプレスに来た。サウジアラビアの組織的な守備が、日本の攻撃をスピードアップさせた格好だ。

今大会のベストゴール

 このため日本はプレスを受けて詰まる前にプレーの選択を迫られる。その典型的な例が南野の先制点につながる一連の流れであり、後半43分の中山雄太のプレーだった。

 前半32分、遠藤航のタテパスを受けた伊東はワンタッチで酒井宏樹に落とすと、猛然と右サイドの空いたスペースにダッシュする。この時点でマークしていた左SBアルシャハラニを振り切っていた。

 酒井は一瞬溜めて、それでも2タッチで正確なロングパスを前線に送る。そして伊東はカバーに来たCBを抜き去り、ワンタッチでクロスを送った。もしもここでドリブルをしていたら、スピードに乗っているだけにマイナスのクロスを送れていたかどうか微妙なところ。

 中央では大迫勇也がスルーし、背後から侵入してきた南野が1フェイク入れてマークを外し、左足で先制点を決めた。このプレーの直前、ノートに「南野はほとんど攻めに絡んでこられない」と書いたばかりだった。

 前線の3選手がトップスピードでゴールに向かいつつ、1タッチ、2タッチの素早く大きな展開にサウジアラビアDF陣は為す術がなかった。流れるような展開からのゴールは、今予選のベストゴールと言ってもいいだろう。

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