人気金融商品・レバナス大暴落が個人投資家を直撃 専門家は「長期投資には向かない」

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 何だか食べ物みたいな名前だが、買った人は生きた心地がしないだろう。株価が大きく下落している中、個人投資家を直撃しているのが「レバナス」という金融商品である。どんなシロモノなのか。

「アメリカの証券市場にはダウ平均、S&P500、そしてナスダック100などの株価指数がありますが、大きく上昇したのがナスダック100です。ナスダックにはアップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、テスラなどが上場しており、指数は10年間で7倍近くになった。そのナスダック100にさらにレバレッジをかけ2倍、3倍の値動きをするように設計されたETF(上場投資信託)がレバナスです」(証券会社幹部)

 折しも、日本はアメリカ株ブーム。なかなか上がらない日本株に見切りをつけて資金を移した個人投資家は少なくない。ネット証券でも米国株は簡単に買える。一方、初心者は何を買っていいのか分からない。

「そこで投資家が競うように買ったのが指数連動型のETFでした。個別の銘柄をいちいちチェックしなくていいからです。中でもナスダック100に2倍のレバレッジをかけたレバナスは10年前から持っていれば40倍以上になった。そのため個人投資家の多くが大手証券会社が販売するレバナスに殺到したのです」(同)

4割近く暴落

 が、今年に入ってアメリカ株が急落したのはご存じの通り。ナスダック100も大きく値を下げ、2倍のレバレッジをかけたレバナスは3割、3倍のレバレッジをかけたものにいたっては4割近く暴落してしまったのである(1月25日現在)。こんなバクチみたいな金融商品だったとは、と嘆いても後の祭り。

 個人投資家の「夕凪」氏が言う。

「アメリカの株価指数はずっと上昇してきたこともあって、指数連動型のETFは比較的安全だと思っている人が多いのです。しかし、レバナスは別物。そもそもこのETFは指数が上昇しない限り保有しているだけで目減りしてゆく設計になっている。とても長期投資には向きません」

週刊新潮 2022年2月3日号掲載

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